昨日、池袋の文芸座で韓国映画「嘆きのピエタ」のリバイバル上映を観てきました。監督はキム・ギドク。キム・ギドクってよく鬼才、鬼才! って言われてるけど、今まで観たことはなく、この映画を観て、「ああ、なるほど……」と納得。
ネタバレは書いてないけど、見たい人はこの日記も予告も観ずに、いきなり鑑賞した方が面白いです。
舞台は韓国ソウルの清渓川周辺。ここは東京大田区のように、町工場が集中しているところ。しかし、不景気の影響で、工場主のみなさんはお金に困り、10日で元金の10倍になってしまうほどのハイパー高利貸しに手を出してしまう人が後を絶たない。そして、当然払えなくなり、借金取りのヤクザが工場主の元にやってくるのです。
この映画の主人公「ガンド」は、この借金取り。返せない人間は「障害者」にして、その保険金で借金の返済にあてます。工場にあるプレス機や旋盤があり、これを使って債務者を障害者にするシーンがあるんですが、これが痛い! 観ていてずっと緊張を強いられるシーンの連続。
最近キック・アス2こと「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」観て、あれもかなり「痛み」がある映画なんだけど、キック・アスは西海岸的な「カラッ」とした痛さなんだけど、「嘆きのピエタ」は東アジア的な湿気の多い痛さというか。鑑賞後は、嫌な汗をかいてました。
で、悪魔のような男の前に、「あなたを捨てた母親なのよ~」という女性が登場。町山智浩いわくキム・ギドクはこじらせ監督らしいですが、この女性が出てきてから、???という展開が続きます。
最後の最後にこの女性は大切なところを全てセリフで言ってしまうのは、なんだかな~ と思いつつも、泣けるシーンでもありました。
一つ言えることは、初デートでは見ない方がいいですね!
そしてお勧め映画か? と聞かれたら「お勧めです」と即答します。