毎年恒例のホラー秘宝まつりに参加
トビー・フーパーが亡くなった。
毎年恒例で参加している、キネカ大森の「ホラー秘宝まつり」。今年で第4回となり、気になった映画はマメに見に行ってるのだが、26日土曜に観たのが、トビー・フーパーの『マングラー』(1995年)だ。
劇場についてビックリ! いつもより人がたくさん詰めかけている。しかも「悪魔の生け贄」や殺人鬼ジョン・ゲイシーの描いたピエロのTシャツを着た人など、気合いの入った観客者が多い。おお!!! でも、何でだろう?
「ホラー秘宝まつり」ではほぼ毎日最終映画が終わった後に、トークショーが行われているのだが、今日の喋り手は、「ホラー秘宝まつり」の映画を配給しているキングレコードの山口氏。まさか山口氏目当ての観客!? と思うも、山口氏は頻繁に今回のイベントのトークショーに出ているので、その可能性は薄い。
実は『マングラー』はカルト映画として誉れ高く(後で教えてもらった)、劇場で公開される機会は少ない。そこで、ボンクラ連中が集まってきたというわけだ。
前日は、ジョン・カーペンターの「ザ・フォッグ」(1980年)を鑑賞。こちらも美しくも恐ろしい映画だったが、『マングラー』はかなりトンデモかつパワフルな映画だった。
↑ザ・フォッグの予告。悪霊達が意外と礼儀正しい。
悪魔に取り憑かれたシーツプレス機
マングラーのストーリーははとても単純。ブルー・リボン洗濯工場で利用されている、巨大なシーツプレス機「マングラー」に悪魔が取り憑いて、人を襲うというモノ。原作はスティーヴン・キングの短編小説でタイトルはそのものズバリ『人間圧搾機』。
マングラーは、人をバクバク食べちゃうんだけど、まあ食べられた人間は酷い状態になるわけです。山野一の『四丁目の夕日』に出ている主人公のお父さん別所富茂が、輪転機に巻き込まれて人間ミンチになる名シーンがあるのですが、そんなアドレナリンがでるシーンが、惜しげもなくでてきます。
ブルー・リボン洗濯工場の社長ウィリアム・"ビル"・ガートレーは悪役として登場。歩行機をつけて両脇には松葉杖を挟み、義眼を隠す片方だけ黒くなった眼鏡。蒸し暑い工場内にもかかわらず、オシャレなストライプスーツを着こなす男なんだけど、無茶苦茶カッコイイわけですよ。マングラーに人が巻き込まれて、プレス機がミンチ製造機になって、女工さんたちが血まみれで泣き叫んでも、「時は金なり! 働けや!」と叫んだりシビれます。しかし、×××(ネタバレのため自粛)と契約しても、しっかり勤労しているのは偉いよね。てか、やっぱり働かないといけないのか! 彼を演じているのは、ロバート・イングランド。そう、『エルム街の悪夢』の主人公フレディ役です。
いろいろと突っ込みたい場面がでてきますが、これでもか! これでもか! というトビー・フーパーのパワーが炸裂しているので、観ているときは引き込まれてしまいます。単なる「カルト」映画としてはモッタイナイ。まだまだ、キネカ大森では「マングラー」の劇場上映をしているので、気になる人は大森にGOだ! ちなみに、昨年のホラー秘宝でハーシェル・ゴードン・ルイス作品を取り上げてして上映したら、その直後にハーシェル・ゴードン・ルイスが亡くなるという事態が発生した。今回はトビー・フーパーがなくなった。怖いぞホラー秘宝!
トビー・フーパーとオレ物語
さて、トビー・フーパーとワタシの初めては、『スペースバンパイア』(1985年)。この映画、映画としては駄作なんだけど、女優マチルダ・メイの脱ぎっぷりだけでも観るべき作品。その後、トビー・フーパーの『悪魔の生け贄』を鑑賞。悪魔の生け贄は、観ているときはそこまで惹かれなかったけど、見終わったあとに「ああ、なんだか凄い映画だった」と、冷酒のように後から効いてくる作品でした。小さい頃に観ていたら、間違いなくトラウマになっていたね。
テキサス・チェーンソー・マサカーの予告を見ていると気持ちが盛り上がる。マサカーという単語はこの映画のおかげで身についたw レザーフェイスかっこええ
さて、そんなホラー秘宝も、昨日観た「ジーパーズ・クリーパーズ」で個人的に最後だった。
次は9月に新文芸座で開催される「大林宣彦特集」に行かねばならない。
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