ハッピーハロウィン! 数年前のハロウィンパレードでは「血まみれ料理人ゾンビ」に挑戦。本物の包丁を持って歩こうか悩んだ末に、安全を考慮してお玉にしたHagexです。血まみれゾンビのまま、お台場のフードコートにいったら、お店の人が「すげー一緒に写真とろうや!」と、本物の料理人と写真を撮ったのは良い思い出ですね。
てなわけで、ハロウィンつーことで「怖い映画は苦手だから観たことがない!」という方にお勧めしたい、映画を独断で10個選びました。今でこそ、アメリカのハロウィンお化け屋敷祭りに喜んで行くことができるオイドンですが、長年怖いのが苦手でした。小さいころのビデオレンタル店に貼ってあった、「食人族」と「死霊のはらわた」のポスターは長年のトラウマ。ホラー映画はこの世からなくなってしまえと、本気で思っていましたね。
そんな私がホラー映画を克服したのは、この日記でも何度も書いてますが、三池崇史監督「オーディション」を観たためです。これがあまりにも怖すぎて、耐性ができてしまい、それからホラー映画が観られるようになりました。ありがとう、三池崇史監督!
・決して、ひとりでは見ないでください『サスペリア』(Suspiria 1977年)
ダリオ・アルジェント監督、イタリアンホラーの金字塔「サスペリア」。
主人公スージーは、ニューヨークからドイツのバレエ名門校にやってくるんだけど、その学校でひどい目に遭う話です。
サスペリアの魅力は美しいと映像(光の色使いが凄い)と魅力的な音楽。イタリアンホラーはどうしようもない作品は多いけど、サスペリアを観ると「イタリアはおしゃれバイ」と納得します。オイドンは最初「ビデオテープ」で観て、キレイな映像にも関わらずテープノイズが多くて、DVDでその後見直しました。文芸座のオールナイトでスクリーンで観たときは感動したな〜。合い言葉は「秘密のドア、アイリス、青いの……」
痛いシーン・ショッキングなシーンはありますが、作品としての完成度が高いので、怖いのが苦手な人もついつい観てしまいます。
・未見のトラウマ映画だった『死霊のはらわた』(The Evil Dead 1981年)
最近は『スパイダーマン』や『オズ はじまりの戦い』で有名なサム・ライミ監督の長編デビュー作です。
ホリデーを楽しもうと森の別荘にやってきた若者が5人が、地下室にある「死者の書」を発見。アーブラカタブラーと、ついつい呪文を唱えてしまって、悪霊を蘇らせて大変な目に遭う話です。
最初に書きましたが、オイドンの「観てないけどトラウマになっていた映画」の代表作でした。この写真がジャケットに使われていたのよ、そりゃ子供は泣くって。
この映画の魅力は「リズム感」。ホラー映画なんだけど、大変グルーヴィー! ズンドコズンドコ♪ 85分の上映時間ですが、めくるめく展開であっという間にエンドロールを迎えます。鑑賞後はサム・ライミって才能アル人なんだな〜 と実感させてくれます。彼が次に撮った『XYZマーダーズ』も、かなり狂っていて面白いんだけど、知名度がないので残念無念。
死霊のはらわたは全3作のシリーズとなっており、『死霊のはらわたII』『キャプテン・スーパーマーケット(死霊のはらわたIII)』もお勧め。観るときは一気に観ましょう。2作目・3作目に行くほどコメディ度があがり「ホラーとコメディは紙一重なんだな」と感じます。
2013年に『死霊のはらわた』はリメイクされ、賛否両論でましたが、個人的にはこちらもお勧めです。
さて、1981年版の『死霊のはらわた』ですが、文字通り出血大サービスのシーンが多くて、「スプラッター映画ブームを起こした」という説明も納得ですが、今観るとチープなので、スプラッターが苦手な方も安心……かな?
・あらゆるゾンビモノのお手本となった『ゾンビ』(Dawn of the Dead 1979年)
説明不要な超有名作品。ホラー映画が苦手だったオイドンも、テレビでバンバンやってくれたおかげで、小さいころ観てしまったレベル。
全米で一気に死体が生き返り、主人公たちはショッピングモールに閉じこもって、なんとか生き延びようとするストーリー。いろいろあるゾンビ映画のひな形になりました。
この作品のおかげで、小さい時にでかいスーパーに行くと「ゾンビに襲われたら、このシャッターを閉じて、ここに籠って…」と、シミュレーションをする癖がつきました。そして日本にガンショップがなぜないんだ!! と怒りましたね。ただ日本は火葬がメインだから、映画みたいにボコボコゾンビは出てこないことに気がつくのに数年かかりました(笑)。
ジョージ・A・ロメロのゾンビ作品は終末感と寂寥感を感じるのが特徴。ネタバレなるので詳しく書きませんが、後半からエンディングを観ていると悲しくなる。ゾンビ映画なのに!
・気持ち悪くて泣ける映画『死霊のえじき』(Day of the Dead 1985年)
先ほど紹介した『ゾンビ』(Dawn of the Dead)は、ロメロ監督のゾンビ三部作の2作目にあたる作品。3作目にあたる作品がこの『死霊のえじき』。ゾンビモノというだけで、ストーリー的なつながりはありません。
人間よりもゾンビの方が多くなった世界。生き残った数少ない人間たちは、地下基地でほそぼそと生き残り、生存者の探索とゾンビの研究を行っていた。しかし目に見える結果でずに、どんどん緊張感が高まり…… といったお話。
前作に比べて、終末感と寂寥感がかなりマシマシになった作品。暗いんだよね〜 映像もストーリーも。そしてグログロ度も一気にあがります。オープニングとエンディングは映画史の残る名シーンなので、必見! エンディングの「あるシーン」は泣けます。グロいけど泣けます。背脂たっぷりのラーメンとモンブランを同時に食べたような感覚というか……。どちらにせよ名作であることは間違いありませんね。
・あたしオバンバ、あなたの脳味噌食べさせて『バタリアン』(The Return of the Living Dead 1985年)
ゾンビモノばかり続いてすいませんね〜 邦題は『バタリアン』ですが原題は『The Return of the Living Dead』。ロメロの「〜リビングデッド」のパロディです。この邦題は日本の配給会社がてきとーにつけたモノですが、素晴らしいネーミングセンスですね。
うっかり「死体を蘇らせてゾンビ化させる」ガスを漏らしてしまって、町中がゾンビになってさあ大変! という内容。まあ、ストーリーはあんまり重要じゃないです(笑)。
この映画も幼少期のトラウマ映画。私が観たのは、大人になってからですよ。で、観て思ったね「この映画はコメディ作品だと」。なぜ小さいころそんなに怖がったかというと、出てくるゾンビが気持ち悪いから。コールタール漬けにされた「タールマン」や老婆ゾンビ「オバンバ」がもう怖くて怖くて……今観ると笑っちゃうけど。ロメロの作品は「社会風刺的なメッセージ性」があるけど、この作品は脳天気にあふれています。
・マック信者必見の映画「デビルスピーク」(Evilspeak 1981年)
主人公のスタンリー・クーパースミスは、カリフォルニアある全寮制の陸軍士官学校の生徒。しかし、愚鈍でコミュ症でちょいハゲでデブで、クラスのみんなからいじめられている。女の子にモテず、アメリカ政府の借金並みに累積していくクーパースミスのルサンチマン! 彼はこのルサンチマンを悪魔崇拝で解消するのである。そして悪魔崇拝のガイドをしてくれるのが、な、な、なんと「Apple II」だ! Apple IIとは1977年にアップルが発表したマイクロコンピューター。マック信者といいますが、やつらは悪魔教ですぜ。
クーパースミスを観ていると、鈍くさくてイライラするんだけど、「シャワー中の女性を豚が襲うシーン」と「エンディングのジェノサイド」は圧巻! 観ていてスカっとする。アップル製品と豚をこよなく愛する人、あ、あといじめらっ子は必見です。私はリバイバル上映で観て、心の中で泣きました(笑)。
・圧倒的な映像美『シャイニング』(The Shining 1980年)
まだオイドンがホラー恐怖症だった高校生のころ。深夜のテレビ映画番組でうっかり観たんですよ『シャイニング』。何の知識もなく観て、「こ、この映画怖いけど、お、おもしろい(ガクブル)」と最後まで観てしまいました。
コロラド州のロッキー山上にあるオーバールック・ホテルはオフシーズンは閉めてしまう。そこの管理人として、小説家志望のジャック・トランスが、妻と子供をつれてやってくる。このホテルは曰く付きの物件で、以前の管理人も夫が家族を惨殺して自分も自殺。ジャックもだんだんこのホテルの魔力にとらわれていき……ちゅーお話。
映画の映像美とはなんぞや? と思ったら『シャイニング』を観たらいい。この映画は143分もあるんだけど、1秒たりとも「長い」を思わせない。狂っていくジャックよりも、奥さんの顔の方が怖い……という突っ込みどころさえ除けば(笑)完璧です。恐らくイチバン何度もみたホラー映画。
・オカルト映画の傑作『エクソシスト』(The Exorcist 1973年)
これ40年前の映画なんだけど、いま観ても超怖い。怖すぎ。日本人には「悪魔が憑いた」といいっても、たいていの人が非キリスト教徒だからピンこないけど、それでも怖い。なんでそんなに恐ろしいかというと、人を恐怖させる「演出」が完璧だからです。「痛い・気持ち悪い・不気味・びっくり」と、人の感情を揺さぶる要素を、監督が「これでもか、これでもか、怖がれ! こんちくしょう」とパッションと技術とともに、バシバシ視聴者に投げつけてきます。私はこの映画のおかげで「えんどう豆のスープ」が飲めません。まあ、飲む機会もないんだけど。
この映画は怖すぎなので、ホラー初心者がいきなり観るのはお勧めしませんね。どのホラー映画も共通するけど、音楽も最高です。
・チェーンソーを振り回して40年『悪魔のいけにえ』(The Texas Chain Saw Massacre 1974年)
場所はテキサス州某所。男女5人が立ち寄った洋館をウロウロしていると、人の皮を被った大男「レザーフェイス」に次々襲われるというお話。
ショッキングなシーンもありますが、ストーリーはありきたりだし、突っ込みどころも満載だし、演出も安っぽいし、怖いけあらゆる面でB級テイスト。なぜこの作品が人気なのか? それは「レザーフェイス」があまりにも魅力的だから。キャラ萌えってやつですね。魅力的なキャラクターを作り出せば、多少のダメな部分もOK! ということを教えてくれます。ジェイソンやフレディ、ブギーマン、チャッキー、貞子に伽耶子と、有名なホラー作品はどれも強烈なキャラがいますからね。
・痛い痛い痛い映画『オーディション』(1999年)
映画のオーディションを行い、再婚相手を探そうとした男性がとんでもない目に遭う映画。
この映画は前半と後半でまったく雰囲気が違う。前半はオッサンの都合がエロエロな感じで出ていて、後半はひたすら恐怖。どんな恐怖かというと、虫歯に針を突き立てられ、キリキリキリ回されるような、「ヘル・レイザー」の釘男も逃げ出すようなシーンが続きます。いやー痛い、これは痛い。二度と見たくない映画ですね! ホラーが苦手な人は、いきなりコレを見たらショック療法で、私のように他のホラー作品が観られるようになるかも!