どもども入社7日目のHagexです。
ネット生命保険の最高執行責任者である岩瀬大輔氏が、4月1日にアップしたブログをきっかけに炎上しました。
どんな内容かというと、大ちゃん(=ライフネット生命保険の最高執行責任者である岩瀬大輔氏)は4月1日に「毎朝、定時より30分前にきっちりした身なりで出社し、新聞を読んでなさい」という内容のエントリーをアップします。これに対して、賛同の意見も多数寄せられますが、「金もでないのに、なんでは早く来ないとダメなの! 社畜なの!!」と批判もたくさん出てきます。
驚いた大ちゃんは、4月3日に「おいおい、4月1日のエントリーはエイプリルフールなんだよ。真に受けるなよ」と書いて、さらに大炎上。raf00さんも指摘していますが、教科書に掲載したいほどの「追い油による大炎上」の典型です。
さらに翌日の4月4日に「一部の方に不快な思いをさせてしまったことをお詫びいたします」と大ちゃんはブログに謝罪エントリーを書いて、事態は沈静化しました。
・入社2日目の明日から試して欲しいこと
・入社3日目の今日から試して欲しかったこと(魚拓)
・ブログ内容に関するお詫び
炎上の経緯やコメントはraf00さんが書いているので、入社7日目のHagexは「ネットでジョークを書くのは大変」&「言い訳したいときは我慢した方が良い」という2つのトピックを解説したいと思います。
ネットで真意を伝えるのは難しい。ましてやジョークは
古来から「文章で意図を伝えるのは難しいアル」と指摘されており、いろいろ文章読本を読んでも「文章はわかりやすく書くべし。なぜならアナタの意見が伝わらないから」と書かれています。そしてネットに書かれた文章は、紙に書かれた以上になかなか正確に伝わらないものです。
だからこそ、揶揄やジョークをネットで書くのはひじょーーーにテクニックとセンスが問われるのです。
私もいろいろとジョークを日記で書いてきましたが、誤読されるたびに、文章をろくに読めとれない馬鹿がアホなコメントやツイートするのを見ては、トドのアナルにド頭を突っ込んでオッ氏ね。ドサンピンが!と呪っていますが、ああ私の文章テクニックはまだまだだな……と反省して水垢離をしています。
さて、水垢離してもジョークテクニックを上手くならないので、私が気がついたポイントをあげていきます。
ジョークは誰が見てもジョークとわかるように
人は基本的に「文章をそのまま信じる」傾向があります。だからこそ釣り師が跋扈できるわけですね(この点については、この本に詳しく書いてあります)。だから、ジョークや揶揄をする場合は「これはジョークですよ」とはっきりと明示してあげないといけません。
大ちゃんの4月1日のエントリーは、読んでみるとわかりますが、あれは「エイプリルフールネタ」とははっきりわかりません。最初や最後に「※これはエイプリルフールネタです」と書いておけばトラブルは起きませんが、無粋の極みです。
そんな時は、
毎日ふんどし一枚で出社して、「社長、まだ寒いけど風邪いきませんか?」と社員に尋ねられますが、「なあに、我が社の保険に加入しているので体調壊しても安心だよ、がははは」とこたえている、大ちゃんです★
もしくは
先日ふんどし一枚でランニングをしていたら、不審者にさらわれてしまいました。不審者はお前だろ! という突っ込みはしないでくださいね★
さらった相手はなんと宇宙人。UFOの応接室で
「大ちゃん、俺たちも生命保険に入りたいんだけど、どうしたらいいの?」
と相談されます。私はこう答えました。
「日本生命保険、朝日生命保険、アメリカンファミリー生命保険、アリコジャパン、損保ジャパン・ディー・アイ・ワイ生命保険(略)は保険金不払いをするからやめとけ。あ、そういえばオイドンの会社も生命保険をやっていたわ」
と、ふんどしの中から資料を出して、宇宙人さんに説明。「大ちゃんの人柄に惚れたわ」と宇宙人さんは一発サイン。なんとUFO特約もつけてくれました。保険料はウランで支払われましたが、これってどこで換金すれば良いのでしょうか? そんな悩みをもつ大ちゃんです★
と、読者に「ああ、これは真面目に書いていないな」としっかりと釘をさすパートを入れておけばOKです。これだけ書いていても、ジョークとわからず野暮な突っ込みをいれるアホがいますが、そんなときは、TwitterやFacebookの情報から、個人情報を特定して自分のブログで晒しあげて嘲笑する無視しましょう。
みなんさんもジョークや揶揄を書く時は「これは真面目な文章ではありませんよ」というサインを入れておきましょう。もしくは誤読上等で、勘違いした人間を片っ端から取り上げて八つ裂きにしてしまうという修羅の道もありかもしれません。私は常にこの誘惑と戦っていますが、慈悲深い人間なので何とか耐えています。
エントリーは一発勝負
どれだけ正確に、丁寧に書いた文章でも正しく読み取ってくれない人間が出てきます。また、自分の説明や解説に足りない部分も、エントリーアップ後に発見して「ああ、もっとこう言いたかった」と思うかもしれません。明らかな間違いや事実と違うことを書いているならば、追記で修正や変更をすべきです。しかし、個人的には「補足説明的なエントリー」はしない方が吉です。特にバズッた記事はその傾向が強くなります。
なぜなら「補足説明的なエントリーを書いても読んでくれない」からあまり意味がありません。そして、言い訳的なエントリーをすることで、最初の記事の魅力が半減されるからです。
逆に非難がたくさんやってきた記事は注目度が高いままなので、上手く鎮火できるテクニックとセンスないと追加エントリーが燃料となって、さらなる炎上を招きます。大ちゃんの場合はそうですね。
注目を集めるエントリーを書いた場合、「その記事完結したもの」にしないと、あとあと大変なのです。そしてどの記事が注目を集めるかなんて、神様でもわかりません。
大ちゃんは無視するのがいちばんだった
大ちゃんが4月1日に書いたエントリーは、嘘エントリーかもしれませんが、「なるほど納得、その通りだ!」という意見も多数ありました。大ちゃんはエイプリルフールネタで書いたので「いやいや違うから」と思ったのでしょうが、そのまましておくべきでした。「あれは嘘でした」と書いたことで、「大ちゃん支持派の人」も敵に回してしまいました。自分自身でネット四面楚歌を作り出してしまいます。
1976年埼玉県生まれ、幼少期を英国で過ごす。1998年、東京大学法学部を卒業後、ボストン・コンサルティング・グループ、リップルウッド・ジャパン(現RHJインターナショナル)を経て、ハーバード大学経営大学院に留学。同校を日本人では4人目となる上位5%の成績で修了(ベイカー・スカラー)。2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。
世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」選出。
という素敵な経歴と才能を持つ大ちゃんですが、さすがにこの「私の周りは敵だらけ」の状態を解決するには「謝罪」という方法しかなかったようです。
最初の4月1日のエントリーはそのままにして、その後は「ふんどしの魅力」でも語っていれば、ここまで燃えなかったでしょう。
代表取締役会長兼CEO 出口治明氏が、ネットで体を張ったネタを披露し、ライフネット生命の知名度と信頼をあげたのに、これでイメージはダウン。ああ、もったいない!
以上、炎上コンサルティング担当Hagexからのレポートでした。