このエントリーをあげると、今年もあと少し……て感じになりますね。今までのエントリーはこちら!
・コレだけでも観ろ! オレがお勧めする2014年のPVベスト20
・コレだけでも観ろ! オレがお勧めする2015年のPVベスト20
・コレだけでも観ろ! オレがお勧めする2016年のPVベスト20
今回もこの2017年に日記でとりあげたミュージックビデオを見なおして、気になった作品をピックアップしたらなんと64個! さらにそこから20に絞りました(疲れた)。
今年は11月に入ってから良作がガバガバ出てきた印象があります。いつか、ロフトプラスワンとかで、いろいろな人を呼んでMV鑑賞会とか開きたいですね。それでは、いってみましょう!
・Black Honey - Dig(2017年)
2017年の傑作MVの1つは間違いなくコレ。
12月14日にこの日記で紹介してからほぼ毎日観て、曲もSpotifyで1日に10回ぐらい聴いている。観てもらえればわかるけど、最初は「え、どういうこと?」と疑問に思いながら、進んでいくと「あ、そういうことか!」となり、スカッとするオチ。もちろん、映像と音楽もバッチリあっている。女性の顔の向き、十字架と服の色の連動、細かいカット割り、ズームも効果的に多様される緊張感、仮死状態から生き返ったときのカメラのブレ……など、わずか4分43秒のなかで、さまざまな工夫も入っており、最高です。
最期に「To Be Continued」とあるので続きが楽しみ。やっぱりあの男をぶっ殺さないとね!
・MACKLEMORE FEAT SKYLAR GREY - GLORIOUS (2017年)
これも今年の素晴らしいMVですね。シアトル出身のラッパー「マックルモアー」が、おばあちゃんの元に訪れて100歳の誕生日を祝う内容。
おばあちゃんとカラオケに行ったり、洋服を買いに行き、おばあちゃんの名前を腕に彼女の名前を刺青でいたり(!)、ホームパーティをやったりと一連の流れを描いている。言葉にするとフツーの映像だけど、プロの映像作家たちが手がけると、こんなに素晴らしいものになるのか! と驚く。
出来が良すぎて気がつかないかもしれないが、この作品のポイントはカメラワーク。ホームビデオ風、盗撮風、固定、ドローンで空撮などなど、いろいろ視点で描かれている。100歳のバルーンが並ぶシーンは単純だけど効果的な演出で唸ってしまう。
そして何よりもマックルモアーのおばあちゃんに対する愛を感じ、観る人間の心を動かされる。
必見の作品。
・Major Lazer - Know No Better (feat. Travis Scott, Camila Cabello & Quavo)(2017年)
今年のメジャーレーザーのMVは傑作が少なかった。ここであげている「Know No Better」はもちろん、「Believer」や「Busy Signal 」は面白い。だけど、「こ、これは凄い映像だ!!」と失神するような作品はなかったな。2015年のMajor Lazerは神がかっていたな~
と、いろいろ言っておりますが、この「No Better」もスゲー映像ですよ。お金持ちとフツーの男の子を、同じ構図で背景だけで変えて撮影している。しかしそこに描かれる現実はまったく違う。
口で言うのは簡単だけど、これを映像にするのは大変だぞ!
日記にも書いたけど、オチのインパクトが弱いのが残念。
・Jain - Dynabeat(2017年)
面白いMVの女王Jainは、今年も素晴らしい作品を公開しております。
MVってのは曲はもちろん、映像のインパクトっが大事。「わ、なんだ、この映像は!」と観る者を驚かす要素がキモなんだけど、Jainの作品はどれもそれがあって鑑賞していて楽しい。いろいろな映像のアイデアが「これでもか! これでもか!」と詰め込まれていて、ついつい最期まで観てみしまう。ただ、残念なことにJainさんの曲は映像と違って、そこまで心に残らないのよね。
ちなみに、OK GoのMVは「単に大がかりで凄いだけ」なんで、個人的には響かないんだよね~
・PSY - New Face(2017年)
韓国映画を観ると「邦画はダメばい……」と惨めな気持ちになるが、PSYのMVを観ると「日本のMVはダメばい……」と惨めな気持ちになってしまう。
ネットでは韓国コンテンツってだけでアンチがワラワラやってるくが、ここに貼った映像のような作品が果たして日本で撮影できるか? と彼らに問いたい。まあ、世界を舞台にしているか、日本しか狙っているかの違いがあるから、予算が全然違うのはわかる。そして他の韓国MVには、ここまでクオリティが高いのはほとんどないので、彼が別格なのはわかってるけど、それでも寂しいよね。
さて、映像以外の部分で多く語ってしまった。この作品は5秒以上同じシーンを流すとスタッフが撃ち殺されるのか! ってぐらい短いカットが続くが、これがキレイに繋がっているんだよな~ そして、大勢で踊っている時のダンスも機械時計のように揃っている。
PSYの「I LUV IT」「 LOVE (feat.TAEYANG)」も面白いぞ。
「韓国キライ」「PSY好きじゃない」って人も素直な気持ちで観て欲しい。
・きゃりーぱみゅぱみゅ - 原宿いやほい(2017年)
PSYで日本のMVに対してガッカリしたが、大丈夫! 日本には「きゃりーぱみゅぱみゅ」がいるじゃないか!
彼女のMVは好きで毎回チェックしているけど、正直ここ最近はつまらないのが多かった。が、この「原宿いやほい」は、ひさびさ「おお、これぞきゃりー!」という映像作品だった。気持ち悪いとカワイイが混在して日本テイストを足して割ったような悪夢的な不思議な内容。
ちなみに、私がいちばん好きな彼女のMVは「ファッションモンスター」です。
・Cassius, Pharell Williams - Go Up ft. Cat Power(2017年)
YoutubeでMV佐賀市の旅、もとい、探しの旅をしていると「な、な、なんじゃ~ この動画は!」な作品に出会うことがある。佐賀の片田舎(まあ、同地には田舎しかないのだが)で見つけた喫茶店に入ると、それはそれはオイシイコーヒーを出されたときのような驚きと喜びを、このMVに感じた。
このCassiusとファレル・ウィリアムスの作品、画面を2つに切って、違う映像を差し込んでいるんだけど、それが上手い具合に結合して全く違う映像になっている。これを作るのは大変だったろうな。そしてコレを観ていると、違う映像だけど1つの動画になっているので、脳がバグって揺らされる感じに襲われる。名作!
・Camila Cabello - Havana ft. Young Thug(2017年)
キューバ・ハバナ生まれのシンガーソングライター「カミラ・カベロ」のMV。英語がわからなくても、最初のシチュエーションと「あの男は誰?」「双子だよ!」のやり取りはアホらしくて笑える。それ以上に私の視線は、出ている女性の下着姿とそのスタイルにいくのだが……羨ましい。
「Vertical Video」バージョンもあるけど、こっちはスマートフォン向けの縦バージョンだけど、内容は全く違う。この曲アリアナ・グランデも歌っているけど、まったくイメージが違うMVになっている。
・Katy Perry - Chained To The Rhythm ft. Skip Marley(2017年)
50年代テイストの世界で運営される未来の遊園地をテーマにしたMV。ジェットコースーターで回転しているときに、手を上げているシーンが印象的です(サムネイルですね)。いつもながらよくこんな映像を考えることができるな~ 服やアトラクションのデザインもいちいちオシャレ。
・Katy Perry - Hey Hey Hey(2017年)
前の映像に引き続き、今年はケイティ・ペリーのMVを2つもセレクト。ケイティ・ペリーは好きじゃないけど、今年は選ばざるを得ないほど、よい作品を公開していた。「Swish Swish ft. Nicki Minaj」も面白いけど、この2つと比べると落ちる。今年はポップの歌姫達の元気がなくて、レディー・ガガ、マイリー・サイラス、テイラー・スウイフトのMVはどれもイマイチだった。が、一人気を吐くケイティ・ペリー。彼女のMVはどれも気合いが入っている。
で、Hey Hey Heyだけど、18世紀のフランスっぽい場所が舞台で、パステル調の配色と豪華絢爛なドレス、さらに現代の要素が加えられている。ケイティ・ペリーのMVには「強い女」ってのがよく出てくるキーワードなんだけど、このMVもその要素がよく出ている。
・Fergie - Love Is Blind(2017年)
ファーギーは「A Little Work」のMVも良くて、どっちをセレクトするか迷った。両方紹介するのもありだけど、ケイティ・ペリーで2作品紹介しちゃったからな~ と悩んだすえに「Love Is Blind」の方をご紹介。
コマ撮りアニメなんだけど、ダメな男が出てきてはファーギーと思われる女性が復讐というか痛い目にあわせる映像です。グロ表現がたくさんでてきますが、人形なのでケイオツ!
フラミンゴの浮き輪でくつろぐシーンが印象的。
・CHAI - ボーイズ・セコ・メン(2017年)
今年はCHAIと出会えて良かった。個人的にはイチバン注目している日本のバンド。
オシャレでかつ技巧的な曲と対照に、彼女の親しみやすい印象のギャップがたまらない。この映像もお金はかかってないんだけど、謎のパワーがある。とりあえず、美容師とバーテンについていってはいけないことは学んだ。
CHAIの「 N.E.O.」とMVをどっちをセレクトするかこれまた悩んだ。映像的にはN.E.O.の方がオシャレで面白いんだけど、CHAIの泥臭い感じをレコメンドしたくて、こっちのボーイズ・セコ・メンを貼った。けど、逆の方が良かったかな? セクシーなシーンもあるし。
・DJ Shadow feat. Run The Jewels - Nobody Speak (2016年)
昨年の8月に公開されたMV。ボンクラな私が見落としており、昨年の日記では紹介できなかったけど、これは外せない作品。曲がカッコ良すぎるのはもちろん、国際会議ででのちょっとしたいざこざから大乱闘になるのは圧巻。映像と曲があっているんだよな~
ライブリークで散々ホンモノの乱闘を観ているけど、実際はこんな劇的ではない。映像を面白く見せるための演出はやっぱり必要なんだけど、この演出が素晴らしい。旗を持って暴れたり、一度デスクの上にあがって飛び上がったりと。そして、なぜか突然出てくる豚と鶏(笑)。
・Ariana Grande - Everyday ft. Future(2017年)
個人的にアリアナ・グランデは、ギャバクラとかガールズバーで「アリアナ・グランデって良いよね~」「だよね~」と会話が成立する(浅川マキじゃだめだ!)、若いお姉ちゃんが好んで聴っていう偏見があった。しかしこのMVを観ると「そんな顧客を一切無視しているな!」的な衝撃の展開。MVを観ては「度肝を抜かれる」私ですが、この映像でも案の定抜かれました。
オチを言っちゃうとつまらないのであまり詳しく書けませんが、「よく、こんなコンセプトで企画通ったな~」と思います。
・Mastodon - Show Yourself(2017年)
MVセレクトをしていると、芸術性が高い作品を選んじゃって「お前は良いかもしれないけど、オレにはわかんねーよ!」ってヤツもある。このアメリカのヘヴィーメタルバンド「マストドン」の作品Show Yourselfは、子供から大人まで楽しめる「ベタ」な展開のMV。個人的には起承転結があるMVは好きってのもあるけどね。死神の仕事を描いているんだけど、死神は死神で大変だ。そして、最期のシーンで笑ってしまう。
・Kendrick Lamar - HUMBLE.(2017年)
今年もケンドリック・ラマーはいろいろなMVを発表していたが、個人的にはこの映像をセレクト。観てもらうとわかるけど、印象的な映像シーンがバシバシ貼り付けてある。「この映像どうやって撮影したんだろう?」のたくさんある。頭が燃えているのは本当に燃やしているのかな?
・John Legend - Surefire(2017年)
カメラワークとか演出とかテクニカルな部分は興味なくて、内容で魅せられたいんじゃい! という貴兄貴女にお勧めなのがこのMV。クリスチャンの男性(恐らく)とイスラム教徒の女性の若いふたりの恋を描いた作品。宗教も文化圏も違うので、ふたりは離ればなれになってしまう。そこで女性は1人で彼に会いに行くんだけど、果たして会えるのか。
今までアップした作品は映像のインパクト重視が多かったけど(あれ、それがこのエントリーの趣旨では?)、これは狙っている異性に対して「これ素敵なMVだけど知ってた?」とLINEやFacebookで送くるのにピッタリ★ 間違ってもファーギーの「Love Is Blind」やアリアナ・グランデの「Everyday」は送っちゃダメだぞ。
・Lusine - Just A Cloud(2017年)
テキサス出身のJeff McIlwainによるプロジェクト「Lusine」。
映像には映像の表現方法がある。このMVはバスに乗った女性の心象風景が、見事に動画で描かれている。起承転結や派手な演出もないが、曲の声やビートが見事に映像とシンクロしている。
光のあたり方、背景の映像、流れるスピード。光の色……などなど、MVたるものかくあるべき! てな感じがするんだけど、分かりやすくないし、地味だから一般受けは悪いよね。でも、オレは好きだぞ!
・Tujamo feat. Sorana - One On One(2017年)
勘が良い人なら、開始数秒で「Duke Dumont の I Got UのMVと同じ?」と思った人は正解です。I Got Uはリア充感満載で、射撃シーンでそれを暗示しておりましたが、こちらは1人の女性とラブラブ映像です。なんでこれを選んだかというと、最期のモヤモヤ感ですよ。私はこの映像をみて、スゲーモヤモヤした。なので、ぜひ皆さんも鑑賞してモヤモヤしてください。
・Incubus - Nimble Bastard(2017年)
さて、記念すべき最期のMVですが、アメリカのロックバンド「インキュバス」の作品です。この映像もそうだけど、今年はビデオテープで再生したような加工をしたMVが多かった。流行なのかな?
このMVを最期に持ってきた理由は単純で、みんなが大好きな犬と猫が出てくるからです(笑)。サムネイルからもおわかりでしょうが。