初めて丸尾末広の漫画を見たのは恐らく高校の時。多分、ガロに再掲載された作品を読んで、単行本を買った記憶がある。そして「少女椿」を読んでビックリした。
当時はインターネットもなく、情報を得るとしたら雑誌や本からしかない。当時ガロ系の作家の情報をいろいろ調べていたが、丸尾末広と花輪和一は何歳なのか、どんな人物なのか、さっぱりわからず。それはインターネットが普及してきてからもわからないままだった。
しかし、花輪和一は『刑務所の中』の中でその人となりがわかるようになるが(花輪和一が1994年に銃刀法違反容疑で逮捕され、初犯でいきなり「執行猶予なしの実刑」というは異例の刑をくらう。しかし結果として『刑務所の中』という傑作を生み出したというのは、なんだか皮肉な話だ)、丸尾末広は個人情報がほとんど出てこないので、私の中では「丸尾末広は本当にいるのだろうか……いるんだろうけど」となっていた。
ちなみに、ちびまる子の「丸尾末男」は、丸尾末広から命名されている。花輪君は花輪和一、みぎわさんはみぎわぱんだよね。
で、そんなオイドンの中では生きるレジェンドだった丸尾末広が、阿佐ヶ谷ロフトで、カネコアツシとトークショー&ライブペイント「丸尾末広×カネコアツシ 〜妖艶イラスト世界画展〜」をするというではないか。
イベントが開催される8月30日、転がるように阿佐ヶ谷ロフトに向かい、誘ってくれたらAさんのおかげで、かなり前寄りのガブリエール寄りの席に到着。
19時になりイベントスタート。ステージ横からチャーミングのご婦人が登場。
「本日は司会を担当する手塚です。よろしくお願いします」
て、手塚!! そう、元ガロ編集長にして現在青林工藝舎の社長「手塚能理子」女史だ。名前は幾度も拝見していたが、ホンモノを見るのは初めて。この人も伝説の編集者だ。
そして、壇上には丸尾末広、カネコアツシが登場。丸尾末広はハンチング帽にサングラス、白い髭が似合おう男。カネアツシも左の腕に映画「リトルショップ・オブ・ホラーズ」(1960年版)のシーモアジュニアの刺青が入ったナイスガイであった。カネコアツシは前職の同僚だったダマテンに似ているので、ライブペイントしているカネコアツシを見ていると「ダマテン、絵が上手くなったな〜」と思ってました。
左が丸尾末広、右がカネコアツシ
さて、壇上では軽く自己紹介をしてから、さっそくライブペイティングがスタート。最初はカネコアツシ。「青いペンで下書きしたんですが、プロジェクターに映すと見えないですね」と素敵なコメント。下書きをしているとはいえ、あんなに上手な絵が描けたら楽しいだろうな……と思う。
カネコアツシが描いている間に、手塚能理子と丸尾末広のトークが始まる。丸尾氏が過去に住んでいた家がお化け屋敷みたいだったとか、手塚、蛭子、根元敬、みうらじゅんで飲んでいるときに、そのメンバーで思い立って丸尾氏の家にアポなしでいったら留守だった、花輪和一が展覧会で作品を出す時に、人が良い花輪氏は格安で値段をつけないか丸尾氏が心配した……など、面白いエピソードが盛りだくさんだった。
いやー、しかし、本当に丸尾末広っていたんだね。
そして、途中で、映画『少女椿』の監督TORICO(凄い美人)が壇上にあがって、少女椿の映画に関して話をしていた。手塚&丸尾は「昔のサブカル好きは女性はブスばっかりだったが、最近は可愛い子増えた」とコメントし、ブス・ブスと連呼して監督に「ブスというのは止めましょう」と諫められていた(笑)。
カネコアツシのライブペイント
そして、カネコアツシは無事に絵を描き、丸尾末広のライブペイントがスタート。カネコアツシが「丸尾末広と私」的なトークを行い、初めて丸尾作品に出会ったのはスターリンのジャケットの絵。その後、実際に会うが「生肉を食べているようなイメージが合ったが、あうと紳士で驚いた」的な発言をしていた。確かに私もそんなイメージがあった(笑)。
丸尾末広のライブペイント
あっというまに21時を過ぎ、二人がもってきたプレゼントタイム。今回は飲食500円ごとに抽選券をもらうシステム。私もバカスカ食って抽選券を5枚ほどゲット。丸尾末広はTシャツ、缶バッヂ、グッズの他に、A4の紙に書いたサイン入りイラスト、そしてライブペイントで描いた原稿。カネコアツシもイラスト&サイン入りの色紙9枚とライブペイントのイラスト。どれもほしーーーとなるが、日頃の行いが悪いのかオイドンは1つもあたらず。中には3回ぐらいあたっている人もいたので、ギギギギギとなりました。
カネコアツシの直筆色紙
このイベントは撮影・録画OKだったのでバシバシ写真をとりました。印象的だったのは、壇上に料理がきたさい、カネコアツシが取り皿やお箸を取り分けていたので、良い人なんだな……とシミジミ思いました。
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