ここ10日ほどノドが痛い。まるで焼いた鉄の箸でノドを突かれるような激痛が続く。つばを飲み込んでも痛い、喋っても痛い、コーヒーなんか飲んだ日には悶絶する。
良くなるかな? 良くなるかな? と思い続けたら10日も経ってしまった。
こりゃいかんバイということで、職場の近くの耳鼻咽喉科に駆け込んだ。
職場は、上品なディアスポリスの舞台みたいなところなので、海外の人がウロウロしている。私が門を叩いた病院も看板に英語と日本語の2カ国語表記。しかも雑居ビルの2階。重〜い鉄の扉を開くと、いきなり受付があり50代の定食屋の女将のような受付兼看護士のおばちゃんが対応してくれる。問診票はなく、住所と名前を書いて保険証と一緒に渡す。私の前に、東洋系の美女がいたのだが、先に呼ばれて診察室に入る。先生の声は大きく、話し声がダダ漏れなのだが、会話は全て英語。スゲーなディアスドクター。
20分ほど待ち、オイドンが呼ばれる。先生はラッシャー板前に似た40台後半の男性で肌がキレイ。頭には額帯鏡(がくたいきょう 穴の空いた丸い鉄のやつ)をつけ、紙のカルテを使っている。久々みたぞ、紙のカルテ!
過去の病気や生活習慣、体重の推移などを早口で機関銃のように尋問され、やっと「ノドがペインペインなんですよ、ドクター」と助けを求めることができた。すると、先生は先端から光が出て目や鼻の中身を覗く「鼻咽腔ファイバー」でまず両耳をチェックし、次に鼻をのぞき、そのまま!口の奥に鼻咽腔ファイバーを突っ込んだ。
一通りチェックすると、先生は全てがわかったように頷いた。
先生、この痛みはなんですか? まさか淫行癌ですか、いや咽喉癌ですか!?
「原因は加齢ですね!」
えええ、橋本環奈似で有名な美少女ハゲ子が加齢ですって!
先生曰く、もともとオイドンの鼻腔内は生まれつき狭いにも関わらず、空気の汚さ、ストレス、飲酒に加えて加齢により肥大化。それにより空気の流れが早くなり、咽や鼻の粘膜がハゲて炎症を複数起こしているとのこと。肥大化した部分は治しようがないので、マスクをしたり、水を飲んでマメに潤すようにするしかないと言われる。先生は説明中に、「組織がハゲて」「表面がハゲて」とハゲハゲ早口で連発していました。やめて、ハゲ子の毛髪はもうゼロなのよ。
先生は、ひじょーーーに熱心に治療し説明してくれ、腕は確かなんだろうけど、鬼神の如く喋り続けるので人によってあわないかも。私にもA4の紙6枚分、手書きで説明してくれました。正式な病名も4つほど書いてくれたんだけど、先生の字が自由闊達過ぎてハゲ子は読めませんでした(口頭で説明してくれたけどね)。先生、時々オネエっぽい動作をするのも気になったのですが、頼りになる方でした。
先生は「医者に診てもらう際は、ノートとペンを持って行き、メモをしろ! そしたら医者も「ああ、この人は熱心な患者だから、丁寧に看よう」と思うから」と仰ってました。今回は初診だったので、手ぶらのオイドンは何も言われませんでしたが、どうやら2回目以降に手ぶらで行くと「なんで、ノートとペンを持ってきてないんだ!」と怒られるらしいです。怖ー
オイドンの尻を切ったインドネシア人の女医さんも豪快だったが、この辺りの先生は個性的な方が多いな〜 てなわけで、いまだに咽の痛みに苦しんでいるハゲ子でした。