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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

深セン駅の中心で紙と叫ぶ

旅行中腹痛に襲われるのは辛い。ホテル滞在時の腹痛はまだ安心だが、移動中にポンポンペインにやられたら最悪だ。過去、インドのバラナシで食べ物にあたりダウン。幻覚に襲われつつ2日2晩下痢が止まらず、そのまま10時間ほどの列車移動をしてアーグラに行くときは、コッポラも驚くほどの地獄の黙示録だった。
で、香港旅行した際、半日ほど中国深セン観光に行ったんですよ。
中国本土は初めてで「日本鬼子」と罵られ、人民服を着た連中からピータンを投げつけられるかと思いきや、みなさん意外と親切でビックリ。まあ、人民服を着た人なんかほとんどいなかったんだけどね。ストリートファイター2春麗ステージの背景みたいな場所を想像していたんだけどね。それでも圧倒的な人民パワーに驚いて、そろそろ帰ろうかと思い、深セン駅に戻る。
この深セン駅が無駄にバカでっかい。ポンポン減り減り状態だったので、駅のキレイな中華料理屋に入る。店員さんが「小日本」に食わせる北京ダックはねぇ! とは怒鳴られず、丁寧な接客を受ける。チャーハンか何かオーダーしたんだけど、途中猛烈な腹痛に襲われました。
やばい、これは、やばい!
店員さんにトイレに行ってきマッスル北村と告げ、約束の地を探す。しかし、この深セン駅は馬鹿でかい反面、トイレの数が圧倒的に少ない。駅に案内板などなく、どこにトイレがあるのかさっぱりわからない。私の持っているダイナマイトの導火線は刻一刻と短くなっていく。異国の地でお尻爆弾を破裂させたら、いったいどうすればいいのか……さすがの私もどうしていいのかわからない。
朦朧とした意識の中で、駅のインフォメーションセンターを発見。「トイレはどこか?」と尋ねたら、場所を教えてくれた。でも400メートル以上先らしい。約束の地は遠い。
安全装置のないトラックで、ニトログリセリンを運ぶ危険な仕事を描いた名作「恐怖の報酬」。私はひとり「恐怖の報酬状態」で、トイレを目指す。
そろりそりとニトロがこぼれないように歩き、額の脂汗を拭って、トイレに入る。が、ここは中国(日本も一部そうだけど)なので、トイレペーパーは自分で用意しないといけない。
幸いなことに、入り口にトイレットペーパーの自販機がある。これを買えば…… と思うが、私の手元には「香港ドル」しかなく、自販機で使える「中国元」がまったくなかった。頭の中で映画「Uボート」のラストシーンが流れる。
ここでおしまいか… いや、諦めちゃだめだ、シンジ君! でも、どうすればいいんだろうミサトさん? そうだそこら辺の人に両替をしてもらったらいい(ピコーン)とひらめき、トイレからでた男性に両替を依頼。もちろん、中国語なんてできないから、すべてジェスチャーだ!
最初の一人目は、ぼっさんみたいな男性で、私が声を掛けると「あ、わ、わたしは今日お金もってないアル。あなたにあげるマネーはないアルよ!」といったニュアンスで、驚いて逃げていった。日本刀を振り回した日本兵の格好ならまだしも、ここまで驚くとは。中国人はみんな図太いと思っていたが、中には豆腐メンタルの人もいたようだ。
で、2人目に出てきた佐藤蛾次郎そっくりのオッサン。かくかくしかじかと、ジェスチャーで伝えると、両替を快諾してくれた! さらにトイレットペーパー自販機の使い方まで指導してくれた。よ、大将! ありがとう!! と何とトイレットペーパーを手に入れて、個室に入れた。まあ、この個室がすんげー汚い場所だったのですが、深セン駅の中央で腹腹時計を爆発させるよりも100万倍マシ。

いやー、あの時は旅行人生最大の危機だったね。いや、バンコクでパスポートをなくしたり、帰国日を間違えていて気がついたら飛行機が出ていた時や、アメリカの空港で屈強な米兵に囲まれた時に比べたらましか?