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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

イラストで学ぶネット炎上の仕組み

どもども、三度の飯よりネット炎上が好きなHagexです!
2012年5月22日号のSPA!に、写真入りでオイドンがババーンとネット炎上について語っているのですが、ネットでは話題にならず。紙媒体とネットの温度差を感じる今日この頃。
SPA!のインタビューの時にいろいろと喋ったのですが、紙幅の関係で掲載は一部。その後もいろいろと考えて「ネット炎上の仕組みはこんな感じじゃね?」とまとめてみました(なんとイラスト入り!)。
まだまだブラッシュアップできる部分もあるけれど、ネットに公開しないとずっとお蔵入りの可能性が高いので、ここに発表します〜(ばばーん)。

■炎上するのは意外と大変!?
「ブログをやってみたい!」という人に、過去何人かアドバイスしたことがありますが、意外と「炎上が怖い」と不安に思っている人がいて驚く。
確かにネットニュースを見ていると1週間に1回ぐらいは炎上ニュースネタを取り上げてるので、「自分のブログも吉原炎上になるのでは?」と心配になる気持ちはわかります。
しかし、「炎上」はなかなか発生しないものです。
ネットウォッチしていて、私が「これは燃えそうだ!」と感じた事案も、炎上することなくネット界の忘却の彼方に消えゆくことが多々あります。

たいていの炎上事件は、上記のように注目されることなく鎮火していきます。
ネット界の話題をさらうには、ある種の条件が必要なのです。

■立派に「炎上」にするための3つの要素
話題になる炎上事件は次のようなステップを踏むことが多いです。

先ほどあげた図とちがって、「引火」「注目」という要素が出てきます。
それぞれについて見ていきましょう。

(1)着火
これはきっかけとなる事件です。犯罪・道徳に反する行為をツイートしたり、政治的・宗教的なコメントをブログに書き込んだり、紛糾しそうな話題・読んだ人の心に訴えかける要素が高いほど、着火率は高くなります。

(2)引火
いくら火を起こしても燃やすものがなくてはダメです。「着火」行為でついた火を大きくする要素が燃料への「引火」です。
具体的には「iPodを盗んだ学生が慶応大学生だった」「学費支援を頼んだ女性は休学ではなく、除籍されていた」「桐生市の地方議員が「不適切」なツイートをしたが、さらにバカにしたような発言を連発」といった感じです。
この燃料の質が高いほど、その爆発力は増します。

(3)注目
いくら燃え盛っても、オーディエンスがいないと単なる「おひとり様キャンプファイヤー」です。この炎上事件をどれだけ大きなモノにするかは、観客の動員率にかかっています。

さて、これらの3つの要素が揃うと「ネット炎上」の第1形態が完成です。「痛いニュース」あたりがきっと取り上げてくれるはずです。

「火元」(着火)・「燃料」(引火)・「観客」(注目)で構成される美しい(!?)三位一体の図

■祭だワッショイ!
炎上の第1形態が完成してしばらくすると、オーディエンスが急増していきます。
「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ、燃える阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損々」と、ネット界に古くからある諺が示すように、ネット住民にとって炎上事件は、自分も参加することができる「極上のエンターテインメント」なのです。
炎上の第1形態が完成するころには、ニュースサイトや事件をまとめたブログ、Wikiが出現しているので、後から炎上事件を知った人もじっくり堪能することができます。
ネットの特徴として、この炎上事件を知った観客はブログやTwitterFacebookなどを使って拡散させます。ますます参加者が増えていき「ネット炎上」の第2形態「祭化」になります。

2ちゃんねるのメインスレのスレッド数が2桁を超え、J-CASTが取材をせずに2ちゃんねるをソースに記事アップし、鈍い2ちゃんねるまとめサイト管理人もまとめエントリーを発表する段階です。

■最終形態を目指せ!
炎上事件の最高峰「第3形態「大炎上モード」」。この「大炎上モード」になるためには、いくつか条件が必要です。

・大量の燃料を投下
炎を燃やすには大量の燃料が必要です。この燃料が途切れてしまえば炎は小さくなってしまいます。
例えば、とある学費支援サービスが炎上した際に、
・問題となったサービスを作った関係者の男性と支援を求めていた女性は同棲していた
・サービス関係者が『ざまーみろ』とTwitterで発言
・サービス関係者が『実はみんな裏で繋がっている』と発言
・同棲ではなく単なるルームシェアでしたと弁明
・返金するといって返金していない
・法律違反疑惑
と、橋田壽賀子もビックリの勢いで燃料が投下されました。次々と良質の燃料が投下されたため、日本ネット史上に残るほどの大炎上を記録しました。

・観客が当事者に変身
最近の日本は貧しくなり社会が閉塞しているせいか、「嫉妬」の感情がネットに渦巻いています。すべての炎上事件にあてはまるモノではありませんが、炎上事件を見物していた観客が、「嫉妬」の要素に襲われ、「当事者化」していきます。
最近の炎上事件にあてはめると、「生活保護を貰ってズルイ」「ネットで簡単にお金を集めてズルイ」といった感情を観客は持ち始めます。こうしてオーディエンスは「第三者」から「関係者(←気持ちだけ)」へと変貌していきます。
そして彼らは黙ってウォッチするのではなく、火元を激しく非難・吊るしあげをしていきます。そうこれはまるで宗教裁判の…

| まさかのときのスペイン宗教裁判!
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    (゚ー゚*)   (゚∀゚*)   (゚ー゚∪
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おっと邪魔が入ってしまいましたが、図にするとこんな具合です。

大量の燃料追加、観客の当事者化が揃うと、炎上の第3形態「大炎上モード」の完成です。日経新聞がインタビューをとりにくるレベルです。

おめでとう! ここまでくれば「教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書」に掲載してくれるはずです(新しく出ればねw)。

■炎上を鎮火せよ
本当の火事と一緒で、ほったらかしておいても、炎上事件の炎はいずれ消えてしまいます。しかし、何もしなければ炎は辺りを焼き尽くし、一面焼け野原となり、火元の信用は東京電力並みに下がり、プライバシーはダダ漏れ永久保存、さらにネットであることないことを書かれ、当事者にとっては辛いことばかりの結果となってしまいます。
では、炎上を鎮めるにはどうしたらいいか? 答えはシンプル! 炎上のトライアングルの関係を切ってしまえばいいのです。

まずやるべきことは、火元となった事件に関する処理です。また追加となる燃料をシャットアウトし燃えないようにします。

個人的な感想ですが、日本人は「謝罪されること」に大変弱い民族です。
当事者が根本的な解決を行わず、具体的な解決案を出さなくても「謝ってしまえば許してしまう」傾向があります。
もしアナタが炎上事件の当事者になれば、とりあえず「謝りましょう」。それだけで、70%は鎮火します。
逆に頑なに「謝罪拒否」をすれば、総合的な解決を行っても、なかなか許してもらえません。

■まとめ
いかがでしたでしょうか? 意外と炎上を起こすのは大変です。また、「常識人」であれば、ちょっと炎を出してもボヤレベルで済んでしまいます。
では、なぜ炎上事件が発生するか? それは最初の図に示した「火元」(着火)・「燃料」(引火)・「観客」(注目)のトライアングルを、幸か不幸か(不幸だな)完成させてしまうためです。
素直に謝罪をすれば騒ぎは終息に向かうのですが、なかなか簡単には謝罪と事故処理ができない人・組織もあり、炎上案件はますます大きくなっていきます。怖いですね。
以上、炎上ウォッチャーHagexでした!