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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

裸のランチ ウィリアム・バロウズ著/鮎川信夫訳 

ヘロインという麻薬はいきなり試しても全然気持ちよくないらしい。はじめてきめた時は気分は悪くなるわ、ゲーゲー吐くわ、頭はいたくなるわでとてもいい気持ちになれる薬でなく、最初の摂取でやめていく人も多いらしい。が、そこで頑張ってヘロインを取り続けていくと、それはもう凄く気持ちよくなるとのこと。
今回読んだバロウズの『裸のランチ』はそんなヘロインみたいな小説だった。カットアップという手法は響きはかっこいいが、このテクニックには読み始め当初全くなじめず非常に読みづらかった。個人的な解釈として「カットアップは、バラバラに散ったジグソーパズルのピースを一つひとつ解釈していき、全体の完成図を予想する」とイメージしていたが、大はずれ。散らばっているピースは、どれも違うジグソーパズルからのピースを寄せ集め。いくらピースをみても全体の完成図は想像できない。共通しているのは、このピースを作った人間が同じというだけ。
一つの話がバラバラになったと思って読んでいたから、理解できなかったわけで、短編が連続して続いていると思って読むととても面白く読むことができた。最初からわかっていればもっと楽だったんだろうけど、まあ無事に最後まで読み終えたので、それだけで満足です。
それにしてもクローネンバーグはこれを映画化したなぁ。あと関係ないけど、山形先生の解説を読んでいたら「アメリカでは『裸のランチ』を読んでいなくても、教養としてストーリーを知っている人が多い」と書かれていたが本当なんだろうか? 気になるなぁ。