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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

焼け野原の404

※フィクションです

オレは三度の飯よりネットウォッチが好きな男だった。

ネットウォッチには有名な掟がある。

ウォッチ先
さわらず荒らさず
まったりと

踊り子さんには触れず、語らず、沈黙を守るのがネットウォッチャーにとっての血のルールだ。

しかしオレはこの掟を破ってしまった。

道徳的に許されないネットウォッチ対象がいたので、関連先に問い合わせをして、自分のブログで詳細を発表。その結果、対象は多大なダメージを受け、ネットから姿を消した。オレの知名度は上がり、人気が出てきた。
しかし、オメルタ(沈黙の掟)を破ったオレは、抜け忍よろしく、ネットウォッチ界からどんどん刺客がやってくるようになった。

息の根を止められる前に、やってきた刺客達の弱点を探し、ガソリンをまいて、ライターで火をつけていく。サーチ能力、タイミング、着火点を探すセンスなど、そして人よりちょっとだけブログのアクセスが多かったのが幸いし、刺客達はよく燃えた。

燃える人間の絶叫は、IPアドレスを飛び越えて直接耳に聞こえてくる。
最後に私の目を見てステータスコードにない呪詛を投げつけてくる。
キレイさっぱり燃える者、致命傷を負って逃げる者、その口からパケットは飛び出さなくなり、アカウントは消えてしまう。

刺客が燃えれば燃えるほどブログのアクセス数はあがり、さらに多くの刺客達がやってきた。
そう、オレはもうネットウォッチャーではなく、ネットの放火魔となっていた。

佐賀人が歩いた後はペンペン草も生えないが、オレが歩いた後は焼け野原の404。本当の焼け野原と違って、新しい芽は生えてこない。

自分を守ることとアイデンティティを保つために、今日も刺客を見つけて火を放つ。
左手は炭化し503だが大丈夫、ガソリンはまだまだたくさんあるし、愛用のZippoのオイルも入れた、フリントも換えたばかりだ。

もえろよ もえろよ
炎よ もえろ
火のこを 巻き上げ
天まで こがせ