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Hagex-day info

紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

デマに感動するFacebookユーザー

Web


一つの妖怪がFacebookにあらわれている、――「イイ話だから感動しろ主義」というデマ妖怪が。
というわけで、デマハンターのHagexです!
■またまたFacebookでデマ騒動
さぁて、今回Facebookで現在蔓延している「イイ話デマ」はこちらだ!(赤字は筆者の加工です)

想わず泪がこみ上げます。。
和訳しました。
訳中も泪が止まりませんでした。
これは日本の東北大震災で自らを犠牲にしてわが子を守ったある母の本当のお話です。
地震の鎮まった後、救助隊は、ある若き女性の家に到着し、そこで瓦礫に埋もれた彼女の遺体を発見しました。
しかし、彼女の遺体はどういうわけか奇妙なことに膝立ちし、あたかも祈りを捧げるかのように身体を前方にやりながら、両腕に何かを包み守っているかのようでした。倒壊した家屋は彼女の背中と頭にのしかかっています。
数々の困難な状況にありながらも、救助隊リーダーは狭い壁の隙間に手を入れ、なんとか彼女の身体に触れようとします。彼は、彼女はまだ息があるものと信じていました。ですが、彼女の冷えて硬直した身体は、彼女はもうすでに亡くなっていることを物語ります。
彼と隊員たちは、その家を後にし、隣の倒壊したビルに向かおうとします。
そこで途中、リーダーは想うところあり急遽彼女の家に引き返す指令を出しました。
そこで再び跪き、今度は瓦礫の隙間から彼女の遺体の下の小さな隙間に手を入れてみます。
そこで彼は突如興奮して叫びます。「子供だ!子供がいる!」
そしてチーム全体が協力し合い、彼女の遺体周りの瓦礫を除去してゆきました。
するとそこには、母の身体の下で、花柄の布に包まれた生後三ヶ月の小さな男の子がいます。
その母の姿は、明らかにわが子を救う究極の自己犠牲の姿でした。
家が倒壊する時に、彼女は自分の身を投げ打って息子の命を守ったのです。
救助隊が救い出した時、幼い男の子は、未だ静かに眠りについたままでした。
医師は速やかに幼子の様態を確かめに駆けつけます。
布を開くと、そこには携帯電話も包まれています。
そのスクリーンにはこう書かれていました。
「もしもあなたが生き残れたなら、わたしがどれだけあなたを愛していたか、しかと憶えていてね。」
携帯はそのままその場の全員に手渡され、そのメッセージに皆むせび泣きました。
「もしあなたが生き残れたなら、わたしがどれだけあなたを愛していたか、どうか憶えていてね。」
これぞ母の愛!!

(英語の原文・略)
シェア先のリンク
引用元

今回は特定のユーザーのポストが膨大にシェアされるのではなく、この投稿を複数のユーザーがコピペし、拡散しているようだ(関係ないが、この人はコメント含めて丸コピして自分の発言のように投稿している… 東大出身の社長さんみたいだが、よろしくない行為ですぞ!)。追記引用元の人は情報を修正したようだ→文末補足情報2参照

■エピソードはパクリ
「日本の東北大震災で自らを犠牲にしてわが子を守ったある母の本当のお話」とあるが、これは嘘だ。
このエピソードのパクリ元は2008年5月12日に発生した四川大地震で起きたもの。元のソースページが削除されているので孫引きになるが、2008年5月20日ごろ、中日新聞が以下のような記事を公開していた。
お母さんを覚えていてね わが子かばい携帯に“遺言”中日新聞)(※リンク切れ)

【北京=池田実】「赤ちゃん。お母さんを覚えていてね」−。中国・四川大地震でわが子をかばいながら死んでいった母親は、死の間際、携帯電話に最期のメッセージを残していた。
 国営新華社通信によると、同省北川県で救援隊が廃虚のすきまから、1人の女性を見つけ出したのは、地震発生翌日の13日昼のことだった。うつぶせになり、両手で体を支えるような体勢で見つかった女性に息はすでになかった。しかし、かすかな声が救援隊の耳に入った。
 死亡した女性の周囲を再度探索した救援隊員が声を張り上げた。「子どもがいる。生きているぞ」
 がれきを掘り、女性の体を持ち上げた。そこから発見されたのは、3、4カ月の赤ちゃんだった。女性がわが子をかばうような体勢をとっていたため、赤ちゃんにケガはなかった。赤ちゃんを包んだ毛布からは1台の携帯電話が見つかった。「いとしい赤ちゃん。もし生き延びられたなら、私があなたを愛していたことを決して忘れないでね」。携帯メールの画面には、こう記してあったという。
 多くの命を奪った四川大地震は、多数の孤児も生み出した。中国各地からは、こうした孤児を「養子に」との声も寄せられている。
引用元はここ

読んでいたらおわかりなると思うが、Facebookで投稿されたエピソードと全く一緒。違うのは発生した国だけだ。

■写真も違うアルよ!

この写真も調べてみると、2008年8月31日に四川省攀枝花市で撮影されたもの。確かに子供をかばう母親の写真だが、地震から3ヵ月以上経ってから掘り起こされたものなので、当然子供も亡くなっている。(文末の補足情報1を参考)
Mother Love in Earthquake(China International Press Photo (CHIPP))

■5秒でわかる嘘に騙される人々
さて、Facebookのデマ投稿をもう一度見てみよう。これは少し考えれば、「怪しいな」とすぐにわかる内容となっている。
・これだけ感動的なエピソードなのに日本で報道されていない
・写真の救助隊の作業隊員の制服が日本のものでない
・映っている母子ともに生きている様子ではない

このデマは昨年の9月から英語圏を中心に出回っているようだ(2011年9月6日のFacebookの投稿)。英語圏なら、正直なところこれらの嘘にひっかかってもしょうがないが(本当はよくないけど…このFacebookの投稿は7万8090人がいいね!シェア5万9005件!もある。2/13午前4時49分現在)、地震の被害者である日本人なら、嘘だと見抜きましょうよ。
以下、このエピソードに関する感動したFacebook上のコメントをいくつかご紹介(モザイク処理をしています)。





■いい話は嘘でもOKなのか?
さて、このエピソードに関して「嘘なのでは?」という指摘を受けたユーザーは、次のように返信していた。



はい、出ました、「いい話だから日本でも四川でも別にイイじゃん!」という意見。これを中国人が聞いたらいったいどう思うのか? ちょっとでも考えてみてほしい。
3.11の大震災の時にスキューバーダイビングの装備で妻を救うために濁流に飛び込んだ夫のエピソードがあったが、もし、このお話を「韓国であった感動実話」として紹介されたとき、上記のみなさんは「いい話だから日本でも韓国でも別にイイじゃん!」と言うのだろうか?
以前似たようなのエントリーを書いた際に、私の書き方が悪かったのか頭が悪い読者の方がいたのか不明だが、「あなたはフィクションを認めないのか? ふじこふじこ」というご意見を頂いたので、今回は大切な点を丁寧に書いてみよう。
ポイント1 嘘を「真実」として紹介するのは大変悪質な行為
ということだ。『フィクション』を『ノンフィクション』と名乗ることは許されない。同様に本当のエピソードの中に嘘の要素を加えることもダメだ。
ポイント2 少し考えればわかる「嘘」に騙される人はネットに向いてない
嘘の情報を拡散する人は被害者でなく「加害者」だ。このエピソードをシェアしている人は、中国を侮辱している! と言われても反論できない。
ポイント3 嘘だと判明したら訂正しよう
誰にでも間違えはある。重要なのはその対応だ。「嘘でもいい話じゃないか!」と開き直るのではなく、「これは真実ではありませんでした。確かにいい話ですが、中国のエピソードだったようです。修正・訂正します」と書き、正しい情報を拡散しよう。

■デマ拡散は罰金1000円な!
正直、Facebookのデマネタは飽き飽きしているが、今後も私の時間と体力があるかぎり、デマネタを追っていきたい。しかし、今後もずっとでてくるだろう。
そこで提案なのだが、TwitterFacebook、ブログなどでデマ情報を書いたら、Hagexに1000円の寄付をする… のではなく「日本赤十字社に1000円寄付する」というルールはどうだろう?
お金を払うことで、デマを拡散した人も反省するし、日本赤十字社を通じて社会貢献もできる。
みなさんも友人・知人のデマを見つけたらぜひ情報修正の指摘と寄付のお願いをコメントしよう。
日本赤十字社・義援金・救援金募集
ゆうちょは振り込み手数料無料。銀行も同一行内(本支店間)での振込の場合、振込手数料は免除。その他、クレジットカード、ファミリーマートでも寄付はできるぞ。

お寄せいただいた義援金は、全額が被災された方々のお手元に届けられ、手数料などを日本赤十字社が取ることは一切ありません。
義援金の受付は、平成24年3月31日まで行っております。皆さまからの温かいご支援に感謝申し上げるとともに、今後とも引き続きのご協力を、よろしくお願いいたします。
 なお、日本赤十字社では、義援金の取扱いについての透明性を確保するため、東日本大震災義援金収支計算書(自 平成23年3月14日 至平成23年9月30日)について、新日本有限責任監査法人による国際監査基準に基づく監査を受けております。
 今後も適宜監査を受けるなどして、義援金の公正な取り扱いに努めて参ります。
http://www.jrc.or.jp/l2/Vcms2_00002320.html

日本赤十字社は透明性も抜群だ。
※関連エントリー
Facebookはバカばかり
やっぱりFacebookはアホばかり



補足・修正情報1 2/14 1:27追記
ブログのコメント欄で、tp2415さんに教えていただいた情報だが、どうやら、私は2008年5月12日に起きた「四川地震」(汶川大地震)と2008年8月に「攀枝花地震(はんしかじしん)」を混同していたようだ(正確には「攀枝花地震」を知らず)。
携帯電話のエピソードは「四川地震」(汶川大地震)、掲載している写真は「攀枝花地震」のもののようだ。確かに3ヵ月も経って、あの死体の状況はおかしい。tp2415さん、ご指摘ありがとうございます。
以下、tp2415さんのコメントです。

「四川地震」(汶川大地震)…2008年5月12日、四川省中央部の汶川で発生した、マグニチュード8.0の地震。
「攀枝花地震」…2008年8月30日に、四川省南端の攀枝花で発生した、マグニチュード6.1の地震。
誘発地震の可能性はありますが、別々の地震です。
同じ四川省ですが、汶川〜攀枝花は、東京〜大阪くらいの距離があります。
携帯電話のエピソードは、日本の新聞社も報じているように、汶川大地震で起こった実話なのでしょう。
この写真は、攀枝花地震で撮影されたものです。中国の2009年の報道写真コンクールの最優秀作品とのこと。
http://www.chipp.cn/content/2009-03/25/content_3160.htm
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=29873
攀枝花地震の写真が、汶川大地震でのエピソードにくっつけられて流布したのだと、私は推測します。
攀枝花地震の地震の翌日に母子の遺体が発見されたので、それほど損傷がありません。3か月も埋まっていたら、腐乱か白骨化かして、まともに見られる状態ではないでしょう。



補足・修正情報2 2/14 1:37追記
今回のエピソードを翻訳した、Hさんは

先日、和訳を付け加えたこの写真ですが、この写真、元記事共に、四川大震災のものであることが判明しました。
http://yuigon.info/news/?p=113中日新聞より)
ぼく自身、感動するままに和訳し、投稿したわけですが、皆様の、感動と、そこから高まる成長、愛に真偽はありません。
投稿をシェアされた皆様も、あくまでも自由意志にお任せしますが、できうる限り訂正投稿などフォローのほどをお願いいたします。
RecordChina
http://sp.recordchina.co.jp/news.jsp?id=29873

という情報修正をFacebookに投稿し、訂正投稿を呼びかけている
この対応は素晴らしい!
しかし、シェアの数はまだ少ない…