内閣府がYahoo!と組んで、自殺防止対策月間キャンペーンを今月いっぱいやっているんだけど、あまりのひどさに読んでいて茶を吹いた。
Yahoo! JAPAN PR企画 - 「ココロの黄信号」、見逃していませんか?(魚拓)
特にダメダメなのが「メッセージを募集&公開」のコーナー。
「苦しい時や辛い時、あなたが「支えられた」言葉はなんですか? あなたの体験談をお聞かせください」というコンセプトのページで、読者から投稿されたメッセージが貼られている。
http://promotion.yahoo.co.jp/kishingou/words/index.php(魚拓)
発信者によって、以下の3つのカテゴリにわかれている。
・近親者からのひと言(魚拓)
・友人・同僚からのひと言(魚拓)
・街で出会った人からのひと言(魚拓)
特に目が点となったのは「友人・同僚からのひと言」。気になったメッセージに対して、私が自殺願望者の気持ちになってコメントをつけてみたぞ。
もう頑張らないでいいですよ。今日まで、たくさん頑張ったから。/ 先生からの言葉<38歳・男性>
頑張らなくていいんですね、じゃあ死にますね。
死んだら、もう死ねない。死後の世界で、嫌な事があったら、あなたは死んでいるのだから、もう死ねない。/ 友人からの言葉<40歳・男性>
本当かどうか死んで確かめてやるよ!
人間どうせ死ぬんだろ? それなら死ぬまでの間を楽しめよ! /友人からの言葉<19歳・男性>
借金が5000万円、いま私が自殺すれば妻と娘が風俗に売らなくてすむのですが…… それでも死ぬなと。
そして…
おまえなら絶対に出来るから! / 友人からの言葉<36歳・男性>
一緒に頑張りましょう! / 先生からの言葉<16歳・女性>
焦らずゆっくり、ほどほどに頑張りなさい。まだまだ若いから、気付けばすべてが望んでたようになれるから。/ 大学時代の先生からの言葉<25歳・女性>
きっと大丈夫だよ! 頑張れ! / 親友からの言葉<12歳・女性>
で、出ました、がんばれ系のコメント。これはNGでしょ! 無神経すぎるよな〜
厚生省のページに「自殺に傾いた人を支えるために -相談担当者のための指針-」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jisatsu/dl/02.pdf)という大変興味深い文章を公開している。自殺が起こるメカニズム、自殺に傾いた人の心理と行動、自殺に傾いた人への対応の基本、その後のケア方法などが書かれており、Yahoo!のページより256万倍役に立つ。
この文章の「3.自殺に傾いた人への対応の基本」「心構えと基本姿勢」という箇所(P5)で
安易な励ましや安請け合いはしない
と書かれている。そりゃそうだ。
Yahoo!のページは「あなたが「支えられた」言葉を紹介」というコンセプトなんだけど、実際に死を考えている人がみたら、防止どころが推進しているようようにしか見えない。
安っぽい言葉を投稿する人も、それを掲載するYahoo!も、チェックしてない内閣府も、自殺する人のことは全く考えてないよな〜 とシミジミ感じます。
この企画を見ていて、「あなたはメンタルに問題があるのではないかと、友人や知人が心配しています。病院に行かれては?」と、メールでいきなり通知してくれる「うつっぽ」(http://u2ppo.com/)というWebサービスを思い出した。あちらは大炎上してサービスストップしたけれど。
追記 この件に関して内閣府にメール出してみた。返信くるかわからないけど。