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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

#6 タレントメルマガの典型「映画評論家 おすぎのメールマガジン」

毎週火曜日アップを目標にしているこのコーナー。今週はお休みか!? とひとりで焦っていましたが、なんとかアップ。ふーー

今回取り上げる有料メルマガは「映画評論家 おすぎのメールマガジン」。
おすぎ……本名「杉浦孝昭(すぎうらたかあき)」。
小学校高学年だった私は、ハンダ付けをしたり、無線のアンテナをいじったり、ハンダ付けをしたりと、暗い子供時代を送っていた。当時の愛読雑誌は2つ。いまその王座をゼクシィに渡してしまったが、その重さで書店員の腰を壊すことで名を馳せた分厚い無線雑誌「CQ」(GQではないぞ!)と、子供向け工作・科学雑誌「初歩のラジオ」を読んでいた(あ、学研が出していた科学風見世物ムー系雑誌「ウータン」も読んでいたな)。
初歩のラジオの連載で、「おすぎの映画評」というコーナーがあり、毎号楽しみにしていた。いまのおすぎは「仕事をしたくない」オーラがビンビンと伝わる文章ばかりだが、当時の文章は魅力的だった。
自宅近くに映画館はなく、小学生のお小遣いでは映画にいくことは無理(親も連れて行ってくれなかったしな)。近所にレンタルビデオ店はあっても、我が家にはベータのデッキしかなかったので、ビデオを借りてみることはできなかった。映画を見るのはテレビだけ… でもたくさん映画を観たい!! という欲求を満たしてくれたのが、初歩のラジオで連載していた「おすぎの映画評」だった。

ある日「おすぎの映画評」で「この映画は名作! 今までに見たことがない傑作!! 生涯No.1映画ァァァ!!!」と大絶賛していた。今はジンバブエドルなみに価値が下がった「おすぎの激褒め」だが、当時はそこまで激賞することはなかったので、子供の私は「これは凄く面白い映画に違いない!」とすっかりと信じ込んでいた。
その映画の劇場公開は観に行けず、ビデオが出ても借りられず、テレビ放送が行われるのをずーーと待っていた。
劇場公開から3年後の1992年4月。日本テレビ「金曜ロードショー」でその映画が行われたので、ワクワクしながら鑑賞した。
うん、面白くなかった(涙)。3年近くも悶々と待っていたために、期待値がかなり高かったのであろう。もしかしたら現在鑑賞したら、そこそこ楽しめるかもしれない。
ちなみに、初歩のラジオはテレビ放送が行われる直前の1992年3月号で休刊(廃刊)している。

ちなみにあれほど、おすぎが「生涯No.1映画」と褒めていたのにも関わらず、「おすぎが選ぶ 観ておきたい名作10選」(←不思議なことに14個の作品があがっているのだが…)には、その映画が入ってない。私の子供の頃のワクワクを返せ!!
きっと おすぎ だけに「これを褒れば、彼(恋人)が来る」という、ささやきが聞こえたに違いない。

さて、前置きが長くなったが、おすぎの有料メルマガについて見てみよう。

メルマガタイトル:おすぎです!〜映画って素晴らしい〜
発行者: おすぎ
発行日:毎月 第1金曜日・第3金曜日
料金:月額420円
サンプルページ:あり
無料購読期間:あり(1ヵ月)
(2012/06/01発行 31号から2012/06/25発行 32号まで2号を購読)
このメルマガは以下の構成となっている。
・おすぎですっ!(日記)
・おすぎの公開映画1行評
・おすぎの新作映画情報・コラム
・おすぎの ほれぼれ!名作劇場
・おすぎのテレビ・ラジオ・雑誌・イベント出演情報
正直なところ、褒めるべきポイントがない。日記の「おすぎですっ!」は、オチがないので読んでいても面白くなく、公開映画1行評情報も「単なる感想文」であって、参考にならない。「新作映画情報・コラム」も、映画のストーリー紹介がメインで、感想がわずか。名作劇場も同様だ。
このメルマガはいったいどのような読者にアピールしたいのかわからないし、発行している人間の情熱も感じられない。もしかしたら発行当初は頑張っていても、現在は購読者が少なく執筆者のやる気さんが失踪したのかもしれない…… とゲスパー。
あと、文章が下手で読みにくい! 例えば…

「ブレイクアウト」
6月23日公開    ☆(☆5個満点です)
この監督、このスター達で、この出来具合と驚くほどウンザリしてしまった密室サスペンス。まぁ、陳腐な強盗たちが失敗の原因であります。手際が悪い、そのことが映画をつまらなくした。
(第32号 おすぎの公開映画1行評)

うーん。もっとわかりやすい表現があるのでは?

キリマンジャロの雪」と聞いて文豪ヘミングウェイの短編小説が頭に浮かぶっていうのは私の年代の人間なら普通のことです。だから「キリマンジャロの雪」という映画が公開されます、と試写会の案内がきて、それはあの小説のリメイクかと思ってしまったことも私の中ではふつうのことでした。なので、つい試写会も後回しにしてしまっていました。(後略)
(31号 おすぎの新作映画情報)

口述筆記で書いているのかな? うーん、こちらもわかりにくい! 不肖Hagexが勝手に修正してみたよ。

キリマンジャロの雪」と聞けば、ヘミングウェイの短編小説が私の頭に浮かびます。先日もらった試写会の招待状には「キリマンジャロの雪」と書かれていたので、てっきり1952年に映画化された作品のリメイクだと思い、ついつい後回しにしてしまっていました。

月額420円で一見安く見えるが、月に2回しか発行されていないので過去に紹介したメルマガの中で、1号あたりの料金はイチバン高い!
有名人だからとりあえず有料メルマガを出してみました! の典型メルマガといえる。
余談になるが、映画の評論に関しては高校生になった時、雑誌「宝島30」で連載していた、明治大学名誉教授の越智道雄のコラムを読んで、「え、映画はこう観るんだ!!!」と目からうろこが落ちました。あれはいい連載だったけど、書籍化されているのかな?
(文中敬称略)
Hagex的お勧め度☆☆☆☆
おすぎのファンなら読む価値あるのかな? かな?(エコー)
いくらだったら購読する?:月額0円(1号0円)
クオリティは無料メルマガ。お金を払ってまで手に入れたいという情報がない。
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