・パソコン見放す20代「下流」携帯族(FACTA online)
「若い者はPCがバリバリ使えていると思ったけど、実は貧乏人の若者はPCも買えず携帯ですべてをやっているらしいぞ!」という内容の記事。
読んでいて違和感がありまくりんぐ。
恐らくこの記事を書いたのはおっさんなんだろうけど、「若い人は、ほら、2ちゃんねるとかmixiでインターネットばりばりなんでしょう?」という意識があるから、「え、20代なのにPCが使えない人がいるの!(おいさんは、若人に負けないようにがんばってブラインドタッチを習得したのに!)」と感じちゃってこんな記事を書いたんだろうな〜
読んでいてかなりムズムズしてくるぞ。まず
第二のデバイドが出現したのだ。20代の若年層である。まさか、と思うなかれ。高額のパソコンを持たない彼らは、インターネット利用を安価な携帯電話で済ませてしまう。PC族と携帯族の「デバイド」――それはネットにも「下流社会」が出現したことを意味する。
なんだか、香ばしい出だしだな〜。この筆者が根拠に使っているのが、ネットレイティングス株式会社という調査会社の「データクロニクル2006」(PDF)というデータ。このデータを読んだ筆者は
2000年4月から06年3月までの6年間でのPCサイト利用者の年齢構成比のグラフがショッキングだった。これまでネット利用を牽引してきた20代の比率が劇的に下降線をたどり、直近では全世代の11.9%に過ぎず、50代(11.8%)にほぼ並んでいる。20代人口の減少も反映しているとはいえ、これまでの常識を覆すような数値が出たのだ。
確かに表を見ていると、20代の構成比が劇的に下がっている。が、PDFの元データにははっきりと
20歳代の比率が減少しているのは、ウェブ利用が全世代にわたり一般化したことによるものですが、携帯電話端末の機能やサービスが劇的に向上し、ECやSNSなどの携帯電話による利用増も要因と考えられます。
と書いてあるんだよな〜 このあたりの突っ込みは匙を投げる2.0さんのエントリーで詳しく書かれてあるので、必見だ。どちらにせよ、このFACTA onlineの人は「20代にネット下流社会が!!」と言いたいだけで、何も見ていないというのがよくわかる。
他にも
万人が情報を発信することで成立するネット文化が衰退し、発信力が弱いケータイ文化はひたすら大量に流される情報を消費するだけの受け身になってしまうのではないか。
凄いね。紋切り型の文章の典型だな、こりゃ。高校の論文の試験で、よくこういった感じで〆の文章を書いていたのを思い出して、恥ずかしくなっちゃいます。ぽー