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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

技能実習生を時給400円で働かせて作るセシルマクビーがヒドイ

昨晩見たテレビ東京「ガイアの夜明け」の内容が酷かった。番組のクオリティは高いんだけど、出てくる連中がみんなヒドイ。

現代の奴隷制度「技能実習生」

中国人技能実習生を時給400円で働かせたり、実習生が働く会社が計画倒産的なことを行い給料の未払いしたりと無茶苦茶。問題となった職場は縫製工場の話だったので、発注側のセシルマクビーを作っている、株式会社ジャパンイマジネーションに番組スタッフが取材に行くも、その後弁護士を通じて「我が社ってブランドがバレたらBPOに訴えるぞ、法的処置をとるぞ!」と書面で恫喝。

番組内では、CECIL McBEE、Fabulous Angela、BE RADIANCE、rid.dle from...、a.g.plus、Ank Rouge、sophilaの7ブランドを全国で展開している株式会社ジャパンイマジネーションの場所やロゴは全部ぼかしが入っていたけど、ネット民のおかげで即座に判明した。セシルマクビー最低だな。


番組に出てきた労働者の味方「指宿昭一弁護士」に注目

番組に出てきた暁法律事務所の指宿昭一弁護士の講演を聴いたことがある。
それそれは現代版奴隷状態の技能実習生の実態を語ってくれ、「日本人として恥ずかしい」という内容の連続だった。実習生を奴隷化していた農家親父が、デタラメのウソをついたり暴言を吐くも、警察が来たら泣き落とす映像も上映され「なんだ、この安っぽい時代劇は!」的な展開で驚いた。あの映像は是非Youtubeで公開してください、指宿弁護士!

指宿弁護士は外国人実習生や労働問題が得意だが、どれもお金にならなそうな案件ばかり。質問タイムで
「先生の活動は立派だと思いますが、儲かっているんですか? お金を稼がないといまの活動は続けられないのでは?」と尋ねたところ、やはりこの手の労働問題はさっぱりお金にならず。幸い他の案件で事務所は維持できるが、儲かってはないようだ。

指宿先生は16回も弁護士の試験に落ちたり、弁護士に合格したのは45歳だったり、なんでそんな戦う弁護士なのか? 事務所のサイトに詳しく書かれているので、一読の価値はありです。

「下請けがやったんで知らない」は通用しない社会

さて、セシルマクビーを作っている株式会社ジャパンイマジネーションは、「下請けのやったことなので、我が社は関係ない!」言ってますが、これはよろしくない。
最近読んだ、『ユニクロ潜入一年』でも、ユニクロがカンボジアの下請け縫製工場に発注しているが、ここがスゲー人権無視の労働環境。ユニクロも当初は「下請けがやったことなんで」と知らんぷりするが、国際的な人権意識の高まりとデモをやられたおかげで、対応を検討するようになる。

 国連人権理事会が二〇一二年に、<ビジネスと人権に関する指導原則>、通称“ラギー原則”を採択したことが国際企業に大きな影響を与えている。“ラギー原則”によると、これまでは、主に国家が自国民の人権を守る義務(duty)を負ってきた。しかし、大手資本の国際企業が、国境を越えてビジネスを展開するようになると、国際企業にもそのサプライチェーン全般においてビジネスを展開する国で雇用する人々に対する人権を守る責任(responsibility)がある、とする考え方だ。
 例えば、ユニクロが中国やカンボジアの工場と直接的な資本関係がなくても、ユニクロが力関係で圧倒的な有利な立場で取引をする以上、その国の労働者の人権に関しても応分の責任がある、という考え方だ。一昔前のように、海外の工場に委託しているのでわれわれに関係ありません、という態度はとれなくなってきている。
(ユニクロ潜入一年 P192より引用)

ユニクロ潜入一年

ユニクロ潜入一年

と国外・国内問わず、「雇用する人々に対する人権を守る責任」があるという考えが主流となってきている(当たり前の話だ)。

このテーマに興味があるひとはPwCに詳しく書かれているので、参考にしましょう。

セシルマクビーを提供する株式会社ジャパンイマジネーション代表取締役会長(当時)木村達央さんは、「ジンジュール」というサイトのインタビューで以下のように答えている魚拓)。

 取引先に対する姿勢については、次のように説明する。
 「近江商人の『三方よし』(売り手よし、買い手よし、世間よし)ではありませんが、お互いにメリットがあり、もうかること。そして日ごろの信頼関係が大切でしょう。取引先とは、半分は利害関係、半分は信頼関係だと思っていますから」

中国人技能実習生を時給400円で奴隷のように使っている取引先を利用し、取材がくると弁護士を使って恫喝するのは「世間よし」なんでしょうかね、木村社長!(昨年、会長から社長になった

消費者は不買をするのがイチバン

この手の企業に関しては、店頭抗議デモや株主、銀行などに質問する方法がある。でも、いちばん簡単なのは、買わない、そして不買を呼びかけることだ。だって、日本で人権蹂躙されて作られた服をきても、楽しい気持ちにはならないでしょ。見る方もイヤだし。

あ、話は前後しちゃうけどセシルマクビーを作っている株式会社ジャパンイマジネーションが弁護士を経由で「ガイアの夜明け」スタッフに送ったメッセージがヒドイ。なので、テキストに起こしたヤツをおいておきますね。
回答人というのは、セシルマクビーを作っている、株式会社ジャパンイマジネーションのことです。

(株)日経映像
テレビ東京「ガイアの夜明け」ディレクター 宮寺 大 殿
          回  答  書
                平成29年12月7日
(ぼかしはいる)
                上記回答人代理人
                弁護士 伊井和彦

前略
 当職は、回答人の代理人として、貴社・宮寺氏から本年12月5日付のメールによる取材申し込みに対し、下記のとおり回答致します。
 貴社・宮寺氏からの申し入れは、岐阜一般労働組合から回答人になされた要請書への回答についてのTVカメラでのインタビューというものですが、回答人としはてお受けできません。本件に関し、回答人に対する一切の取材もお断り致します。
 岐阜一般労働組合から回答人への要請書は、回答人のブランド衣料商品をめぐり、当社が製作を依頼したメーカーの下請会社が中国人技能実習生に不当な労働行為をさせたという件に関するものですが、その実習生と回答人の間には何らの法的契約関係もなく、労使関係にもありません。従って、本来、回答人は岐阜一般労働組合から労働法上の要求を受ける立場になく、何らの法的義務もありません。そのような法的義務のないことについて、取材には応じられません(組合側への回答自体は別途検討します)。
 また、本年12月5日の午後0時30分に、回答人が岐阜一般労働組合から会社の玄関で要請書を受け取った際、事前に何の通知も回答人の了解もなく、貴社・宮寺氏とそのクルーと思われる人たちが現れ、「テレビ東京です」と名乗りテレビカメラでその要請書受領の様子を撮影し、回答人の担当者にマイクを突き付けたり、会社のビルを撮影したりしましたが、このような一方的な取材は極めて乱暴かつ不適切であり、厳重に抗議します。
 上記の要請書の受領に関しては、事前に岐阜一般労働組合の北島あずさ副委員長と当職の間で、「会社に来るのは北島副委員長と実習生代表4人だけで、玄関で要請書を渡すだけ」という約束で、回答人としても応じたものです。ところが、約束に反し、大勢の組合員も同行し、貴社・宮寺氏らのテレビカメラでの取材が行われたもので、騙し討ちのような手法の取材で、到底容認できません。
 その取材の様子を、本年12月12日のテレビ東京「ガイアの夜明け」で放映するかのような予告が「ガイアの夜明け」ホームページ上でされていますが、回答人の許可なく撮影された映像(回答人の社員が要請書を受け取る様子や回答人の会社ビルの映像)や、関係者が見れば回答人の商品と分かるような映像は、一切使うことのないよう要求します。もし、そのような映像が放送で使われた場合は、放送倫理・番組向上機構(BPO)に苦情申し立てすると共に、回答人の名誉や信用を棄損するような場合には、然かるべき法的処置を取りますので、ご承知おきください。
 なお、このことは、テレビ東京本社にも通知致します。
 本件に関しては、当職が交渉等の一切の委任を受けておりますので、今後、貴社や宮寺氏の方からメール・電話等の手段を問わず、直接回答人の方に連絡することはお止め下さい。回答人には、代理人がいるのに直接そちらから連絡に対応する法的義務はなく、法的義務を強いることは犯罪になりますので、お気を付け下さい。   草々

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おまけ


上記魚拓



ぼかしで隠れていた株式会社ジャパンイマジネーションの外観もGoogleストリートビューでバッチリ!

前回の8月放送時のツイート


追記
ジャパンイマジネーションは、2017/12/15にこの件に関してプレスリリースを発表。しかし、その内容もまたヒドイものでした。