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虐待された犬の残酷写真が出回る!

2012年2月28日にTwitter上で「犬を虐待した人間がいて、その様子をネットにアップしています! ヒドイ!」といった内容で、虐待写真(?)とともに大量に出回ったようだ。
本当に虐待があったのか? 調べていくと「犬が捌かれた」のは事実のようだが、情報が拡散する間に、偽情報も加わりデマ化もしたようだ。
本当に犬の虐待はあったのか? そして犯人は誰か? 時系列で情報をまとめてみたぞ。
(事件が事件だけに、人によってはショッキングと思われる写真や表現がでてくるかもしれません。配慮した構成となっておりますが、苦手な方はお気をつけ下さい)



■事件の経過
今回の犬虐待事件は以下のような流れとなっている。
(1)若い男性数人が、犬を絞め殺し、川の近くで捌く。それらの様子に加え、切断された犬の頭部を片手にピースサインをした写真をインターネットにアップする。

無修正版はこちらのページで確認できます。

(2)中国の著名人がミニブログサービスを使って、この写真を取り上げる。瞬く間に話題となり、Facebookでも話題になる(中国圏でも非難が殺到したもよう)。
海賊王驚點語錄さんの写真
Facebookでの拡散元の1つ。この写真のシェアは7000件以上されている。いきなり解体写真が出てくるのでクリック注意。
真得很人渣欸....
台湾のFacebookユーザーの書き込み。こちらも解体写真がいきなり出てくるので注意。

(3)台湾在住の日本人が、2月28日午前1時
「【閲覧注意】犬を虐殺して皮を剥ぎ、首を切断した大学生(?)フェイスブックにアップロードされていたそうだ。何人かはわからない。http://t.co/HphIvAey
というツイートを行う

https://twitter.com/#!/koichiuno/status/174166742573121536
(現在このツイート、アップロードされた画像は削除されています)

(4)上記のTwitterは瞬く間に日本ユーザーに広がり、画像だけの引用も拡散する。「犬の写真がショッキングすぎる」という意見が多数寄せられたため、この台湾在住の日本人はツイートと画像を削除する。しかし、写真だけがTwitter上で広がっていく。

(5)人気のTwitterクライアントアプリ「ついっぷる」の人気「リツイート」ランキング1位に
「犬を虐殺した写真をFacebookに載せて楽しんでるやつがいる。ガチむかつくからさみんなRTしてくれ。 法律第44条で 「愛護動物をみだりに殺し、又傷つけた者は一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する」って書かれてるから! よろしくhttp://t.co/c5F7TkLN
というツイートが選ばれ、ますますツイッター上で拡散される。

http://tr.twipple.jp/tweet/2012/02/28/23/00.html
(現在このツイート・画像は削除済み)

(6)Twitterクライアントによっては、画像がアップロードされたURLを発見すると、自動的に画像のサムネイルが表示される。そのため(4)や(5)のツイートを受信したユーザーの中には、有無を言わさず犬の解体写真を見せられることになり、悲鳴をあげたユーザーも!

(7)Twitterの騒動が2ちゃんねるに広がり、いくつかスレッドが立てられる。
犬を虐殺した写真をFacebookに載せて楽しんでるやつがいる(モ娘(狼)板)
【閲覧注意】Twitterで動物虐待してる写真をみつけたひとをみつけたニュー速VIP
【グロ】犬を虐殺して皮を剥いで首を切断した画像を大学生がフェイスブックにあげる(ニュー速(嫌儲))

(8)2ちゃんねるTwitterともに情報が錯綜しはじめる。
「犯人は(3)に出てきた台湾在住の日本人」「犯人は早稲田大学生」「台湾で発生した事件」
といった嘘の情報に加え、「犬を虐待した人間を見つけ出し、懲らしめよう」というツイートも増えてくる。
2ちゃんねるに書かれた嘘情報の一例

http://logsoku.com/thread/hayabusa3.2ch.net/morningcoffee/1330437464/68-

(9)犬虐待ツイートをRTしないようにお願いする内容が出現し、Twitterでは騒ぎが沈静化していく。

(10)中国の新聞「浙江在线新闻」の記者が、撮影された現場を訪れ、写っていた少年達にインタビューを行った。
微博疯传海宁4名90后虐杀小狗照 当事人:很威风很酷
(事件を伝える中国の新聞。解体写真あり)
今回の舞台の現場となったのは、日本でも台湾でもなく、中華人民共和国 浙江省 嘉興市 海寧市 新悦花苑小区(http://goo.gl/jpEUB)。少年達は高校3年生。街を歩いていると犬を発見し、食べるために絞め殺し、捌いて持って帰ったようだ。少年の一人に話を聞いてみると、反省しているらしい(翻訳サービスを使っているので間違っていたらゴメン!)。

(3)〜(10)までは2月28日〜29日の出来事でした。
まだまだTwitter上では散発的に

といったつぶやきが流れている。

■ショッキングな写真は思考を停止させる
さて、この事件はいろいろな視点から語ることができる。
(1)食べるための殺しは虐待なのか?(文化問題)
(2)思考停止状態でのRT・シェアは危険(ネットリテラシー
(3)大量に情報が拡散すると、内容が変質する(デマの構造)
(4)Twitterクライアントの仕様によって、見たくもない写真を見せられてしまう(技術的な問題)
(5)見たくもない情報が大量にツイートされると、防ぎようがない(Twitterの問題)
(6)元の情報が削除されても、どんどん広がっていく(Twitterの問題)
(7)あの写真はグロテスクなのか?(一般論)
(8)安易にショッキングな写真をツイートすると、大量の非難がくる(一般論)
(9)日本では保健所の「引取り動物」だけで、年間6万4061頭の犬、16万5771頭の猫が殺されている(平成21年度)のに、こっちも考えて!(動物愛護)
全部取り上げていたら、本が1冊書けてしまえるので、、ここでは(2)の「思考停止状態でのRT・シェアは危険」について簡単に述べる。
今回のポイントは「写真が強烈な場合、見た人の思考を停止させやすい」点だ。有名な「湾岸戦争の「油にまみれた水鳥」」を思いだしてほしい。
今回は自然発生した騒動だが、悪意を持ってデマを起こそうと考えている人間にとって、この手法は魅力的だ。
今後ともTwitterFacebookでショッキングな写真が出回ってくる可能性は高い。「この情報は本当なのか? シェアやRTしていいものか?」と、クリックする前に考えてほしい。
情報提供してもらったペンネーム「某美女」さん、ありがとうございました。

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