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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

東電の冬ボーナスはゼロ

毎日、毎日、あんパンの上に芥子の実を置く作業をするため、山崎パン高井戸工場に壊れかけのママチャリで出勤する。
1時間休憩の8時間労働。作業を続けていると自分の体がベルトコンベアの一部になったような感覚に陥りながら、なんとか退勤する。

たまには飲んで帰ろうと、会社近くの激安居酒屋に入店する。全品200円というコンビニで売っているペットフードより安いメニューがたくさん並んでいるが、時間が早いためかお客は少ない。
カウンター席はないので4人の掛けのテーブルに一人で座る。隣のテーブルには小太り40代半ばのスーツを着たが男性がブツブツ言いながら、顔真っ赤にして一人で生ビールをゴクゴク飲んでいる。
とりあえず生ビールと枝豆を注文。元気のいい店員の声が、大きく響く。
1分も待たずに料理とお酒がテーブルに届く。ビールを飲むと水っぽくてまずいが、喉が渇いていたので、ごくごくと飲む。枝豆を食べる。食感はいいが、味はない。

視線を感じると、隣のおやじがこちらを見ている。因縁でもつけられるかと思ったが、そんな雰囲気ではない。
「どうしたんですか?」と、こちらから話をむける。
「どうしたもこうしたもあるか、冬のボーナスが全くでなかったんだよ」
かなり酔っているようだが、はっきりとした口調で答えた。
「しかし、ボーナスの支払いがないって、この不景気によくあることじゃないですか」
男は黙っていた。グラスに残っているお酒を一気のみ干して、生ビールを注文した後
「会社のやり方が汚いんだよ。夏のボーナスは大幅減額、冬のボーナスはでるかでないかギリギリまで発表しない。社内の噂で『今回は難しい』と流れていたけど、あれも会社がはっきり「でない」というのが、嫌でわざと流したものだし」
追加注文でやってきたビールを一口飲んで、男は話を続けた。
「ボーナスがでないのはまだ納得できる。ただ、新聞では、うちの会社はボーナスがでているとして報道されているだよ。平均37万円支給ってさ。いったい誰がもらっているのやら。俺たちはもらってない。だけど「おまえらボーナスもらいやがって! とたたかれているんだよ、わかる?」
私は枝豆を食べながら黙って聞いてた。
「謝罪の担当の連中は、毎日毎日謝ってばかりでずっと青い顔だし、検針のおばちゃんや営業の連中も、こちらが東京電力の人間だとわかれば、見知らぬ人から罵詈雑言をぶつけられる。頭ではこんな事態になったてわかっているけど、もう本当に嫌になっちゃうよ。だけど、この年だから転職もできないしな」
男は、はっとした顔してから、話を聞いてくれてありがとうと、一言いって伝票を持ち席を立った。
私はまずいビールを注文して、それを飲んでから自宅に戻った。


上記のやりとりには一部フィクションが入ってますが、「東京電力 昨冬のボーナス84.4万円から大幅減の37.4万円に(NEWSポストセブン)」という報道もあるけれど、どうやらボーナスがゼロ円だった東電社員は多数いるみたい。管理職だけ出ていない可能性もあるけど、一般もでていなそうな感じだったな~
住宅ローンが組めない東電社員(Hagex-day.info)