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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

ショート缶とロング缶

350mlを選ぶか500mlを選ぶか、それが問題だ。

新宿到着まで約70分間の電車旅。外は暗闇で、窓から見える景色は楽しめない。慣れない肉体労働で体はクタクタで頭も働かないので、本を読む力はない。ビールを飲んで眠るのがラクでタノしい。

ビールを選びと同様に大切なのは、酒の肴のセレクトだ。先ほど、王将でニラレバ定食を食べたので腹は空ではない。量は少しで良いのだ。駅ビルにある惣菜屋は閉店時間ギリギリでも、好物の焼き鳥のレバー串が置いてある。が、今日に限っては売り切れ。好きなジャガ丸フライは在庫ありのセール中だが、腹にたまるので却下。惣菜フロアもウロウロするが、目ぼしいものはなかった。改札近くには大きな売店があるのでそこで探す。いろいろ見るが「これだ!」という当確肴はなく。補欠合格で「湖池屋 スティックすっぱムーチョ さっぱり梅味」を選ぶ。

で、問題のビールだ。350mlか500mlの決定はまだ出来ていない。電車の出発まであと5分。ホームにある売店はビールの種類が充実し電車までの距離がは最短だが、ビールの冷たさに難あり。2階にある改札の売店はキリリと冷えているが、ビールの種類は少ない。いま、すっぱムーチョを選んだ売店は、改札から離れているが種類も多いしビールも冷えている。

冷えているビールは偉大だ。先ほどニラレバ定食を食べた際も、中ジョッキの生ビールを飲んだ。ビールを口に入れると浸透圧で自然と体に吸収されていく。あまりにも自然と体に入っていくので、いつも驚いてしまう。20分前に熱い湯船に入り、番台の前のガラスケースに鎮座していた缶ビールの誘惑に打ち勝った自分へのご褒美だ。あっという間にジョッキは空になる。2杯目をオーダーしたいが、我慢し店を出た。

すでに体の中には中ジョッキ分のビールが入っている。もしレバー串三本を手に入れたら、迷わずヱビスの350mlを選んでいただろう。しかし、いま片手に持っているのは、味の濃いスナック菓子だ。350mlで立ち向かえるか不安だ。大は小を兼ねる、男は度胸、女は愛嬌、坊主はお経、と自分に言い聞かせロング缶を手に取りレジに向かう。もちろん買ったブツはビニールに入れてもらう。

電車はすでに到着しており、指定されたシートを探して座る。イスの横からテーブルを引き出し、ビールとスナック菓子を並べる。いつもなら出発してからビールを開けるのだが、今日は座ってすぐに栓と袋を破る。

車内アナウスと馴染みのBGMが流れ、ゆっくりと電車は発車する。窓は雨に濡れており、外の景色をますます見えにくくしていた。電車は速度を増していき、駅をどんどん通過していく。田園が広がるであろう、暗い闇の中、明るい冷やし中華が美味しいラーメン屋が出現し高速で後ろに去っていく。直後、巨大な老人ホームが見えてくる。線路から離れた場所にあるので、先ほどのラーメン屋と違い、ゆっくり、ゆっくりと後ろに流れていく。
老人ホームからも、この線路は良く見える。しかし建物と違い、列車は高速に移動していく。

最初の停車駅に着くころ、すでにビールも肴も飽きていた。やはり350mlを選択すべきだったか。テーブルの上に置いておくと、ダラダラ飲んでしまいそうなので、後ろの車両に捨てに行く。ゴミ箱があるデッキに到着すると、満杯だった腹にスペースができたのか、またビールを飲めるようになった。ドアから暗い外を見ながら、少し飲むもなんだか嫌になり、洗面台にビールを流し、ゴミ箱に缶を捨てた。

ふらつきながら座席に戻る。今日はうるさい中国人観光客もおらず、ゆっくり眠れそうだ。目が覚めると新宿だ。