現在勤めている仕事場は殺風景だ。デスクとパソコンが鎮座し、BOSEのスピーカーから凶悪なヒップホップが流れ続けている。加湿器から延々と蒸気がでているが、潤いがない職場だ。
フリーダムな職場なら、ビキニ姿の武田久美子がビールのジョッキを持って微笑んでいるポスターを貼って潤いエッセンスを充満させるのだが、そんな昭和的手法を実行したら一発退場のセクハラレッドカードを喰らってしまう。
壁に武田久美子がダメなら、PCの壁紙を変えたら良いのではないか? Google先生に尋ねてみると、それはそれは、コンタクトレンズメーカーも驚くほどのソフトからハードまで取りそろえたエロチカ7の画像を提案してくれる。しかし、Google先生は優秀だが気が利かない、なにせ男性のコンテンツまで出してくれる。
だが、壁紙にエロチカ写真もNGだ。うっかり、他の社員に見られた、セクハラ懲罰房にぶち込まれてしまう。「写真がダメだったら、絵画があるじゃないの!」と、脳内のハゲー・アントワネット厨房が呟く。
そうだ、それだ! だが、どの絵画を選べ良いのか? これまたセンスが問われてしまう。
有名なヌードと言えば、ゴヤの「我が子を食らうサトゥルヌス」を一番に思い浮かべてしまう。いやいや、確かに裸だけど、サトゥルヌスは髭のオッサンだし、子供喰ってるし。ルーベンス版もゴヤ版も縦位置だから、モニターにあわないし!(そこ?)
ゴヤ「我が子を食らうサトゥルヌス」
これを壁紙にしたら仕事は捗りそう
マティスなんかどうだ? 「大きな横たわる裸婦」…… うーん、サブカル女を口説くのに良いかもしれないが、色気がない。
マティス「大きな横たわる裸婦」
誰でも知ってるルノワールはどうだ? 「浴女」「長い髪の浴女」「泉による女」「眠る浴女」「水浴の女たち」「浴女たち」……タイトルを見ているだけで、プールに行きたくなったし、印象派の絵は観ていると眠くなるので、仕事とは相性が悪い。
水浴びと言えば、フランチェスコ・アイエツの「入浴するバテシバ」なんかも、エロチックな感じで好きな絵なんだけど、これはエロイーズ度が強い。
アイエツ「入浴するバテシバ」 センターにいる侍女の見上げる眼が堪らない。あとバテシバが頭巾だけまいて全裸とかも
Wikipediaのアイエツのページを見ていたら「オダリスク」描いてるんだ〜 と知り、オダリスクと言えば、ドミニク・アングルの「グランド・オダリスク」じゃん! と閃き。壁紙に設定。
ドミニク・アングル「グランド・オダリスク」
実は、もう1枚モニターがあるので、長年Adobeのイラストレーターにお世話になっているので、ベタだけどボッティチェッリの「ヴィーナス誕生」をセレクト。
ボッティチェッリ「ヴィーナス誕生」
ヴィーナス誕生は問題ないんだけど、グランド・オダリスクの美女は迫力がありすぎ、見つめられすぎで、落ち着かない。