2017年は読書を頑張ろうということで、ガンガン読んでいこうと思います。
「僕らが毎日やっている最強の読み方;新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意 」
分かりやすい解説の達人「池上彰」氏と外務省のラスプーチン「佐藤優」氏の共著『僕らが毎日やっている最強の読み方』。これがどんな本かというと、サブタイトルの「新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意」がすべてを示している。
この本では池上氏も佐藤氏も「重度の情報ジャンキー」として、活字・ニュース・情報中毒者として、ブツの入手方法、管理方法、楽しみ方が存分に書かれている。確かにこの本は面白いしためになる。しかし、あまりにも2人が超人すぎて、普通の我々には参考になるようで、ならないのだ。
池上氏の原稿締め切りは月18本、佐藤氏は90本。池上氏は毎日8紙の新聞を読み、佐藤氏は毎月300冊の書籍に目を通す。佐藤氏の学習意欲は止まることなく、リクルートが中高生向けに運営している学習サービス「受験サプリ」の毎日30分から2時間やり(58歳の男性が中高生向けの学習サイトで2時間も勉強をやっているんだぞ!)、チェコ語・ロシア語も習っている。以前、タリーズで数学の勉強をしている佐藤氏を見たことがあるのだが、これは本当だろう。
この本は「情報収集とその読み方を達人が教えますよ!」というパッケージがされ、実際そうなのだが、内容があまりにも上級者過ぎてそのまま実行するのは無理! 剣道を習おうとしたら宮本武蔵が先生として登場、経営の勉強をしようとしたらいきなり松下幸之助がでてくるような本である。
だからこそ、日頃インターネットのニュースやウィキペディアを読んで、自覚の有無に関係なく自称「情報通・事情通」になっている人たちは、池上&佐藤にそのトサカをかち割られて欲しい。私もこれを読んで「ああああ、私のインプット量は少なかった。今まで英語と日本語のウイキペディアしかみてなかったけど、今度からは同じ項目で日・英・朝・露・独ぐらいはチェックします」という気持ちになった。そして佐藤氏お勧めの雑誌読み放題サービス「dマガジン」も早速契約した。おかげで、iPad Proが欲しくなった。
個人的に面白かったのは、2人ともネットに対して「上級者向けのメディアだから、素人は気をつけろ」と指摘していた点。ネットは無料ではあるが、質の良い情報を手に入れるには不向き。みなさん、本屋に行って本を買って読みましょう。ネットがこれだけ普及して誰しもがアクセスできるからこそ、本のアドバンテージがますます高まっている。
あとこの本は、編集の人が無茶苦茶頑張っている。ポイントごとに分けた章立て。大事なところはマーカーが塗ってあるし、ポイントは巻末にまとめられており、URLや出てきた書籍も最後に一覧になっている。触れられた書籍の表紙やWebのサムネイルも丁寧に配置されている。内容もさることながら、丁寧な本作りも見所だ。
2017年を頑張る気にさせてくれる1冊です。

僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意
- 作者: 池上彰,佐藤優
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2016/12/16
- メディア: Kindle版
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