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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

黙ってセリフを読み上げた

荒っぽい漁師と言えば、2007年に漁師がマグロ包丁で山口組のヤクザを3人殺した事件を思い出すな

衣服に隠し持っていたマグロ解体用の包丁(刃渡り二二・三センチ)で組員を一人ずつ刺し、三人の体には深さ十センチ以上の複数の刺し傷。うち一人の致命傷は、左の背中から肝臓まで達する約二五・五センチの、刃渡りを超える深い傷で、壮絶な犯行状況だったことが分かる

あ、今回のエピソードとこれはあまり関係ない……いや、ちょっとあるか?

・今までにあった修羅場を語れ【その16】

311 :名無しさん@おーぷん:2016/01/13(水)13:08:23 ID:J0m
はるか昔、私が幼稚園児だった頃、母に「バス乗って街に行こう」と言われた。
私の住んでいる所は何もない海辺の町で、街に行けるのは滅多にないことだった。
バスの中でお菓子と「この言葉を覚えれ」と紙を渡された。
バスには近所のおじいちゃん達とおばちゃん達も乗っていた。
着いたのは料亭みたいな場所。部屋に通されると、知らない人達がいた。
スーツ姿の男性や、きれいな服を着た女性。その向かいに病気っぽい(と当時は見えた)女性がいた。
病気っぽい女性の側に座り、私はバスの中で覚えた台詞を言った。
そのうち漁に出てたおじさん達もやって来て、部屋の人数はどんどん増えていった。
スーツの男の人たちは最初偉そうだったのに、最後はうつむいていた。
病気っぽい女性が泣きはじめ、おばちゃん達がなぐさめていた。
女性は私達と一緒にバスに乗って帰った。

312 :名無しさん@おーぷん:2016/01/13(水)13:08:35 ID:J0m
高校生くらいになってからふと思い出し「あれは何だったの」と聞いた。
以下は母から聞いた話。
私が生まれる前、この町には祖父母と住むAという女の子がいた。
父親は漁で亡くなり、母親は病死。中学卒業後、祖父母死亡。Aは働きながら准看護婦の資格をとり
町のみんなに感謝しながら引っ越していった。
10年が経ち、街の婦人科で、たまたまおばさんBがAと再会。Aはガリガリに痩せていた。
Aは結婚したが、相手がいわゆる「親なし子をもらってやった」という態度の夫と義親で
こき使われ、妊娠しても栄養不足でお腹の中で育たず…という状況にいた。
そして夫に離婚を突きつけられている最中だった。
二言目には夫は「家族の問題だから」と義親を連れてきて皆でAを責め立てる。
Aには「くやしかったらおまえも身内を呼んでくればいいw」と言うのがお決まりだった。
おばさんBはそれを聞いて怒り「離婚協議にはうちらを呼びなさい、身内として行く」と。
Aは夫と義親に「昔住んでた町でお世話になった人達を呼ぶ」と話した。
「年寄りと女子供が来る」と聞かされた夫は快諾。
ただし訳のわからん人間を自宅に入れたくないからと、料亭で話し合うことになった。
そしておばさんBを先頭に、おじいちゃん達、母、私はバスに乗った。
つまり病気っぽい女性=Aさんだった。

313 :名無しさん@おーぷん:2016/01/13(水)13:08:46 ID:J0m
宣言通り現れた「年寄りと女子供」にAの夫と義親は最初冷笑していたが
じいちゃん達が上着を脱ぐと反応が変わった。
じいちゃん達は70代だが現役の漁師。気が荒く喧嘩っ早く、浴びるように酒を飲み
露助や密漁ヤクザを素手で制圧する日本有数の戦闘民族。顔は皺くちゃだが、脱ぐと凄い。傷だらけだし。
おばさん達はそんな荒くれ男が酔って暴れると、投網でひっくくって棒でボコボコにする連中。丸太のような腕をしている。
じいちゃん「俺ら訴訟になること多いから、顧問弁護士いるんだwあとで来るw」と先制。
A夫が「身内って、あんたら血つながってないですよね?」と頑張るが
「ん?あんたの後ろにいる女は血がつながってんのか?」
A夫黙る。あとでわかったが、女=A夫の新嫁候補(浮気相手)だった。
A姑が代わりに頑張りだすが、おばさん達が応戦。人数だけでなく口数、声の大きさでも圧倒。
「みなしごをもらってやったのに」と言うA姑に
「そらどうもw取るもん取ったらすぐ返してもらうわwお気遣いなくw」
A姑ヒスを起こす。
私、Aとは面識もないのに「Aちゃんをいじめないで」「Aちゃん帰ろう」と棒読みで台詞を言い泣き真似。
料理を運んできた仲居さんが、キーキー叫んでるA姑と、泣いてる私を「うわぁ…」顔で見る。
A夫とA舅が話をまとめようとすると「女作っといて、金も払わんで古い嫁が追い出せるかい」
とじいちゃんが大きな声でまぜかえす。絶対隣の部屋にも廊下にも聞こえている。
そのうち二台目のバス到着。
漁から戻ったおじさん達(30~40代)が2,30人追加で入ってきた。
おじさん達は現役漁師という名の現役戦闘民族。冬近いのに半袖。全員ゴリラのような体。しかも弁護士付き。
この弁護士は離婚案件じゃなく、傷害事件の尻拭いばかりやってた人なんだけど
その場で色々ハッタリきかせてくれたらしい。
向こうの言い分を「そんな田舎民法、法廷じゃ通用しません」と全部ばっさりやって
「文句あるなら裁判にしましょう」
じいちゃん「こっちは裁判慣れしとるぞー、ガハハハ」
しゅんとなるA夫とA舅。
泣くAをおばちゃん達がなぐさめ、いっしょにバスで連れ帰った。私もよくわからないままに母と帰った。

314 :名無しさん@おーぷん:2016/01/13(水)13:08:55 ID:J0m
Aは半年くらいかけて離婚成立。数百万の慰謝料が取れたそうだ。
A夫がつれてきた女と再婚したかは不明。
でもその後何年か、A夫がAを探してうろつき、おばさんBがAをかくまったりしたらしい。
復縁要請かは知らない。誰も話を聞かずに追い返したから。
おばさんB「殴ったりはしてない。棒持って追い回した程度」だそうだ。
Aさんは今は再婚済だそうです。
たまに遊びに来るらしいけど、今は私が町にいないから会えない。