こ、これはイヤなエピソードだ。
・今までにあった修羅場を語れ【その9】
718 :1:2015/04/20(月)19:40:42 ID:1VH
※動物の死・後味悪い話注意
20年以上前の小学生の頃の話。
当時友達のAちゃんが子猫(生後3~4か月ぐらい)を拾った。
Aちゃんは子猫をたいそう気に入り可愛がっていたが
Aちゃんの家は借家、私の家は祖母が大の猫嫌いで飼うのは無理。
同じ友人グループ内の子でもマンション住まいだったり
犬を飼っていたりと飼える状態の子はいなかった。
そこで貰い手を探そう頑張ったが何せネットもない時代、出来る事と言えばグループの子みんなで同じクラス内や同じ部活内で子猫の話を持ちかけるぐらい。
しかも相手も小学生なので本人が良くても親からの許可が出ずに終わることが殆どで
貰い手はなかなか見つからなかった。
(ここで当時アホだった自分は祖母さえ何とかなればと思い
無謀にも祖母の説得を試みるがお互い平行線で終いには大喧嘩になり
私が親にぶん殴られて終わりというプチ修羅場になった)
その間Aちゃんは借家の人目につかない家と塀の隙間で子猫の面倒見てたらしいが
そんな状態が長続きするわけでもなく程なくしてAちゃん親に見つかり
子猫は近所の通称「犬猫おばさん」と呼ばれる人間のところへ預けられた。
この犬猫おばさんとは捨て犬や捨て猫を大量に保護してる人で
朝夕に沢山のリード線を引っ張って大勢の犬を散歩させてる姿がよく見られる
近所の有名人だった。
娘が大事にしてた猫を再度捨てるよりは・・・とAちゃん親は判断したんだろう。
しかし子猫を諦めきれないAちゃんは子猫が連れて行かれた数日後
「トラちゃん(子猫の仮称)を取り戻すんだ!」と息巻いて
グループの子らにAちゃん自身が書いたシナリオを見せた。
「私たちがこの順番にセリフ言っておばさんを説得して返してもらう!」
シナリオは漫画やドラマから拾って来たであろう今でいう
「くっさいセリフ」が目白押しでとてもじゃないが大人には通用し無さそうな内容。
私始めとするグループ内の子らがドン引きする中Aちゃんは本気だった。
やんわり止めようとする子達もいたけどAちゃんは聞く耳持たない。
一人息巻くAちゃんに半ば引っ張られるように私たちは犬猫おばさんの家の前に行った
719 :2:2015/04/20(月)19:41:36 ID:1VH
まぁ結果だけ言うと私たちの(実際にはAちゃん独断)の説得は失敗した。
おばさんAちゃんが口を開く前にAちゃんに向かって
「あんた○○さんとこのAちゃんでしょ?
あそこ借家じゃないの?子猫持って帰ってどうするの?
面倒見れないんでしょ?」
と現実的な疑問を投げかけた。
最初に発言する筈のAちゃんの口が塞がれたこの瞬間シナリオは瓦解。
あとはおばさんのAちゃんに対するお説教大会になった。
(生き物を飼うのは簡単じゃないとかそんな内容)
結局おばさんに一言も言い返せないままAちゃんはボロ泣きし続け
連れてこられた私たちは申し訳ないが長い説教に半ばうんざりしてた。
最後に「いつでも(子猫を)うちに見に来ていいから」と言われようやく解放。
その後は泣きじゃくるAちゃんを皆で慰めながら帰った。
ここまでが第一の修羅場。
そしてそのお説教がよっぽどこたえたのかAちゃんは翌日から子猫の話をしなくなった。
まぁ親や先生以外の人にあんなにお説教されるは初めてだったから
仕方ないといえば仕方ない。
私自身も色々引っ掛かるところはあるけど他にどうしようもなかったと思い
Aちゃんの前では子猫の話題を出さなかった。
2週間ほどして母にこの事をはなすと
「あーあのおばさんねぇ、あまり近隣で評判良くないらしいよ」
と言われた。
詳しく聞くと母の友人がおばさんの家のすぐ近くに住んでて
犬猫の鳴き声や異臭で度々トラブルを起こしているらしい。
他にも無許可で犬猫の避妊去勢も格安でやって結果死なせたりとか
大なり小なりの動物系トラブルを複数抱えているという。
私はにわかに心配になり
その翌日、学校帰りにおばさんの家に猫を見に行った。
おばさんは私の事は覚えてないらしく何も言わずに
猫がいる部屋に通してくれた。
720 :3:2015/04/20(月)19:42:26 ID:1VH
そこは地獄の光景だった・・・
入るなりに鼻がひん曲がりそうな異臭でむせ返り薄暗い電燈の元
6畳ほどの部屋に大小の猫たちが何十匹も文字通りにひしめき合っていた。
猫トイレは幾つか置いてあったけどとても足りてそうになく
何よりこの数ではちゃんと躾しきれてるとはとても思えなかった。
窓が締め切ってあるのは多分だが異臭で苦情が来たせいだろう。
部屋の隅に猫缶が幾つか開けて置かれていたけどこちらも
全員に行き渡ってるとは思えなかった。
たまにワイドショーとかでやる「多頭飼育崩壊」の現場を
そのまま思い浮かべてくれればいい。
そんな中私は例の「トラちゃん」を探した。
トラちゃんは部屋の隅で寝ていた。
ガリガリにやせ細って粋も絶え絶えの状態になって・・・
後ろにいたおばさんはその様子を見て
「その子もう長くないだろうねぇ」と軽く言った。
なんでそんな軽く言えるんだろうと怖くなった。
恐怖とか悲しさとか色んな不快感が入り混じった感じで家に帰った私は
夕飯まで部屋の中でうずくまっていた。震えが止まらなかった。
食欲もなかったけど家族が心配するので無理して食べた。
この時見た光景は結構なトラウマになりしばらくの間夢に出てきた。
これが第2の修羅場
その後しばらくしてAも他の友達と連れ立っておばさんのところへ行ったらしい。
その時にはもうトラちゃんは亡くなっており
「やっぱり連れて帰ればよかった」と悔し泣きしてたと
その一緒に行った友達から聞いた。
おばさんはその後保健所から度々注意されてたらしいけど
何をどうやって誤魔化したのか知らんが
私が成人するぐらいまでそこに住んでいた。
その後私が一人暮らしを始めて久々に実家帰った時には
家ごとなくなっていたけどどうなったのかはわからない。
あの時はどういう行動を取るのが正解だったのかは
今となっては分からない・・・
この度結婚して家で猫を飼うことが決まったので
苦い思い出でカキコ