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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

ガレット・デ・ロワと異物混入事件

この日記の設定上、オイドンは東池袋のオケラ荘に住み、安普請の薄い壁から聞こえるお隣の李さん中年夫妻の野獣のような咆哮を夜な夜な聞きながら、ついつい右手が……! ということになっています。
が、本当は六本木ヒルズのレジデンス棟に住みながら、右手にコイーバ、左手にレミー・マルタン、右腕にフランス・恋の暴れん坊シャルロット、左腕には黒い女カウボーイ・キャサリンを抱いて、夜な夜な、ギロッポンの夜景を見ながら、発言小町をチェックしているのです(ばばーん)。
シャルロットもキャサリンも身長が180センチ近くあるので、両脇に彼女たちを抱えると、私の足が少し浮いているのはココだけの話。

で、そんなインターナショナル・セレブリティ・コマーチ・ライフスタイルを送っている私ですが、1月6日シャルロットが「ヘイゲックス、今日は1月6日よ、私は ガレット・デ・ロワ が食べたいシルブプレ・レ・レ・レ♪」というじゃありません。おお、美しき、アデュー・マルセイユよ。オイドンは流暢なフランス語で返答しました。

「Oui、ma petit Charlotte、Le fait pas, bien sûr, et je aussi!(おお、愛すべきシャルロット、もちろんじゃないか、僕もだよ!)」(協力:Google翻訳)


で、ガレット・デ・ロワをギ・ロッポン(フランス語風)の街に買いに行ったのです、みなさんはガレット・デ・ロワをご存じ? Wikipedia先生に解説してもらおう。

フランスの地方ごとに少しずつ異なるが、最も一般的なものは紙の王冠がのった折りパイにフランジパーヌ(アーモンドクリーム)が入ったパイ菓子で、中にフェーヴ(fève、ソラマメの意)と呼ばれる陶製の小さな人形が一つ入っている。公現節(1月6日)に家族で切り分けて食べ、フェーヴが当たった人は王冠を被り、祝福を受け、幸運が1年間継続するといわれる。名称の「ロワ」(王たち)とはフランス語で「ロワ・マージュ」(rois mages)と呼ばれる東方の三博士のことである。


伝統的には、家族が集まった中で一番小さい子供をテーブルの近くに呼び、目隠しをさせて大人の誰かが切り分け、この子供に誰に配るかを指名させる。そして、昔は毎週末家族が集まって食事をするのが常であったので、フェーヴが当たった者は次の週末の会食の際にガレット・デ・ロワを自作するか購入して皆に供した。この際、前回王冠を手にした者は、この者が男性であった場合は女王を、女性であった場合は王を家族の中から選ぶ。子供を喜ばせるため、しばしばこの女王か王は子供が選ばれる。そしてこの行事はだいたい1月一杯の間行われる。元々フェーヴは本物のソラマメだったが、1870年に陶製の人形が使われるようになった。現在ではプラスチック製のフェーヴもある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%AF

ガレット・デ・ロワはこんな感じ。

ガレット・デ・ロワの魅力は、パイの中に隠された「陶製の人形(フェーヴ)」を誰が当てるかだ。これを当てれば、王冠をかぶり祝福される。フェーヴを当てればキャサリンやシャルロットにあんなことやこんなことが命令できる、ケケケケ……って、それじゃ単なる王様ゲームやないか!

で、とあるお店に入り「ボンジュール、マダム、ガレット・デ・ロワをシルブプレ・レ・レ・レ」と尋ねたところ、お店のマダムは「ウイ、ムッシュー、私の店ではガレット・デ・ロワを売ってるわ。メー(山羊マネでなく、フランス語で「しかし」の意)、うちのガレット・デ・ロワは陶製の人形の代わりに「栗」が入っているの。ほら、陶製の人形だと食べる人が怪我する可能性があるから!」

メルド!(意味はググって下さい)、オイドンはそう呟いてから、ポケットからジタンを取り出しカルティエのライターで火を付け、ギ・ロッポンの空に白い雲を足した。

モナムールのシャルロットやキャサリンは、どうでもいいのだが、ガレット・デ・ロワにフェーヴが栗だったのは本当の話。昔からそうなのか、最近そうなったかは不明だが、このことを聞いて真っ先に浮かんだのは、ペヤングやマクドナルドが起こした異物混入事件だ。

さすがにガレット・デ・ロワを購入したお客さんが「パイの中に、陶器の人形が入っていたぞ! ふじこふじこ」となる可能性は低い。が、売っている業者としては、陶器の人形を入れたせいで発生する危険性を最大限に低くしたかったのだろう。個人的には過剰対応な気もするが、異物混入事件に対する消費者のヒステリックなバッシングを見ていると、陶器の人形を栗に変えることは納得できる。

食品の異物混入事件は、確かによろしくないことだ。しかし、異物混入事件で必要以上に消費者が激怒するのは、どうなのろうだろうか? と疑問に思う。
そこで、異物混入の被害者には、加害者が、ガレット・デ・ロワのように「いやー、買った食品に異物が入っていたのは悲しいことだ。パルドン、パルドン。でも、それは幸福の印。今年1年間はいいことがあるよ」といって、戴冠させて祝福させたらどうだろう? そう、呪うのでなく祝うのだ!

栗の入ったガレット・デ・ロワを前に、シャルロットにそう説明したら「メェェェェェルド!」と言われ、火の付いたゴロワーズを投げつけられました。目の前にいる愛の妖精(ぷりんてぃんじゃないよ)はとても怖い。ちなみに、キャサリンはパクパクとガレット・デ・ロワを食べてました。太るぞ!