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踏み絵としての『ブレードランナー2049』

『ブレードランナー2049』(以下2049)を観た。この映画は、ブレードランナーの続編でなければ、素直に「面白い」という言えたかもしれない。

2049の感想をつぶやくのは「踏み絵」だ。面白いと言えば古参のファンから叩かれ、ツマラナイと言えばこれまた古参のファンから叩かれる可能性がある。2049の感想は、すなわち1982年に公開された「ブレードランナー」(以下オリジナル)の愛と情熱を試されている。

「名作の続編は駄作が多い」というセオリーもあり、2049に対するネガティブな感想をチラホラ見ていたので、あまり期待せずに観に行った。

前日に神楽坂のラカグで開催された「町山智浩×滝本誠「『ブレードランナー』再び! 80年代カルト映画ナイト」」に参加したおかげで、2049に関する映像の見方、作品の「リンチが描く絵画との類似性」「ジョイの起動音がなぜピーターと狼なのか?」「アンドレイ・タルコフスキーのオマージュ」「ラスベガスになぜ『ターナー』の絵画があったのか」などのエピソードを聞いていたので、「ああ、あの話はここで出てくるのか」と納得。
そして、鑑賞した劇場が有楽町丸の内ピカデリーの「爆音上映」なので、音が素晴らしく、シートがビリビリと揺れる体験と巨大なスクリーンに映し出される未来の映像はド迫力だった。
映画としては面白い、だけどオリジナルの続編として観ると納得できない。それが2049の感想だ。

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現在発売されいているボンクラ映画雑誌『映画秘宝』2017年12月号の特集は「ブレードランナー 2049」完全攻略!!。この特集でガースこと映画評論家の柳下毅一郎は「2049は続編として満足できる作品だ。前作の回答が描かれている。しかし、我々はその回答を知りたかったのか?」(筆者によるまとめ)的なことを書いていた。さすが、ガース。2049を観た直後にこの文章を読んだかれど、これは納得だ。

冒頭に2049は踏み絵だと書いたが、これは2049に示した回答に、君は納得できるか、否かを迫られている。町山智浩は、好意的な感想を書いている、私は2049の回答には納得できない。

どちらにせよ、オリジナルの映画ファンは必見の作品だ。そして可能であれば爆音上映で観るべし。

トリビア的な内容は以下のサイトでまとまっています。