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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

たかが点心じゃないですか

対処が甘い気がするが……
・(-д-)本当にあったずうずうしい話 第1話

280 :名無しさん@おーぷん:2014/07/31(木)16:00:29 ID:???
うちの実家は都内で中華料理屋をやっていて、本店は小さなビルで、両親と長兄夫婦でまわしています。
支店は、セミリタイアした祖父が家の一階を改造した、趣味でやっている店。末っ子の私がパートで手伝っています。
次兄は大学卒業後に金融関係に就職。職場結婚。「どうせ、長兄が継ぐんだから」と家業に一切の興味なし。
次兄嫁がいわゆる「意識高い系」の人で、資格をいっぱい持っていて、なんにでも口を出してくる人。
たとえば、結婚する前、顔合わせをうちの本店でやったんだけど、まだ籍も入れていないうちから
「この餃子、大きすぎますね。女性客には、京都の餃子みたいに一口サイズがいいんですよ」とか言い出す。
(うちは皮厚で肉汁自慢の餃子が評判なんだけど)
店のお茶を一口呑んで「色が薄いですね。先輩に中国で買い付けしてる人がいますから、相談してみましょうか」
(うちは曽祖父の友人だった台湾のお茶屋さんから今も購入してる、かなり良質な凍頂烏龍茶)
両親は「次兄は、店とは無縁だから」と、そういったところは見ないようにして無事結婚。
次兄夫婦結婚後の大晦日、本店は中華おせち、支店は年越しラーメンで大忙しなのに、31日の夕方に連絡もなしにやってきた次兄夫婦「お腹が空いた」とブーブー。
母が「冷蔵庫に材料あるから、長兄の子供たちの分もつくって、先に食べて」といったら、「なんで、来客に働かせるのか、嫁いびりだ」と次兄嫁はブチ切れ、中華おせちの一番良いお重を、無断で持って帰った。
3日前に言ってくれれば用意してあげたのに。そのお重は、両親夫婦の来客用だったので、どうにかはなったけれども……
(ちなみに、長兄の子供2人は、自分たちでチャーハンつくって食べていた)
そういうわけで、祖父も両親も長兄夫婦も私も、次兄夫婦とは積極的に交流をもたない状態に自然になっていた。
で、6年前の春、私は祖父の店に修行に来ていた人と意気投合し結婚。
支店は、私たち夫婦に任せるか、みたいな流れになったら、夏に次兄嫁が一人で乗り込んできた。
次兄嫁「長兄が本店、妹が支店を継ぐなら、私たち夫婦はどうすればいいのですか」
母「あなた達夫婦は中華料理屋になんか興味ないでしょ。お金なら平等に残してあげられるけど、店は無理よ」
次兄嫁「私が本店と支店の経営を見てあげます!」
本店と支店の経営を統合して会社組織を作り、簿記2級の次兄嫁が経理部長をやる。ついては、月50万円の給料をよこせ、と。
父は呆れ返って「うちの遺産問題のことを話すなら、嫁じゃなくて次兄本人に話すことだ」で終了。
母が、次兄本人に電話すると「嫁も義実家を親身になって心配してくれてるんだよ」と脳天気。
これでまた、次兄夫婦との関係は遠くなる……

281 :名無しさん@おーぷん:2014/07/31(木)16:02:32 ID:???
そして、秋。
リーマン・ショックで、次兄が会社をリストラされた、というか、早期退職優遇制度で辞めた。
で、次兄夫婦襲来。分厚い書類を持ってきた。
表紙には『○○飯店ネットショップ企画書』。
うちで評判の良い点心(餃子、焼売、小籠包、肉饅、中華菓子など)をネットショップで売る。次兄が社長、次兄嫁が副社長。
次兄夫婦がネットショップたてて、注文と決済を担当する。本店と支店は、その注文品をつくって発送する。
価格は次兄夫婦が決定。本店と支店は、次兄夫婦に指示された納品価格で下ろす。
急速凍結庫、ダンボールの用意などは、本店と支店の負担。つまり、次兄夫婦はPCの前に座ってるだけ。
一応、色々と原価率なども計算されてるんだが、父や長兄や私たちの労働賃金なんて含まれてない。
そのことを指摘すると「今までより大量仕入れになるから、本業の利益率が良くなるはず。それが賃金」と義兄嫁。
両親が「点心は、原材料費よりも、人件費つまり手間のほうがかかるんだ」といっても、次兄嫁「そこは機械などでオートメーション化してください」
父「その費用はどこから出るんだ?」
次兄嫁「設備投資ですから、自分たちでお願いします」
祖父「それじゃ、○○飯店の味じゃなくなる。私が認めん!」
次兄嫁「たかが点心じゃないですか」とニヤニヤ。
その間、次兄は、嫁の言うことにウンウン頷いているだけ。
最後に、祖父が「次兄はどう考えてるんだ?」と問うと、次兄「みんな、WinWinだからいいと思うよ、うん。なんで、反対するのかがわかんない」。
祖父「ウンヌンだかワンワンだか知らんが、手前勝手な言い分で、店に口を出すな」
で、話し合い終了。
次兄夫婦が帰ってから、長兄奥さん泣いてた。
「点心だって、忙しい時には、お母さんと私で営業時間後に睡眠時間削ってつくってるのに、たかが点心って」
私もつられて泣いた。
それから1年ちょっと、次兄夫婦は我が家に寄り付きもしなくなった。
平和だな、と思っていたら、支店の常連客さんが変なコト言い出した。
客「こないだ、おたくの冷凍餃子買ったけど、全然美味しくなかったよ」
私「え? うちは本店も支店も冷凍餃子なんてやってませんよ?」
客「いや、楽○にネットショップ出してるじゃないの? ○○飯店ネットショップって」
帰宅後、家でPC確認したら、ありましたよ。○○飯店が楽○に……
しかも、トップページに「創業百年を超える中華の老舗」と銘打って、うちの本店の写真がバーン。
商品を見たら、うちで扱ってない点心までズラズラと……
慌てて長兄に電話「ネットショップ許したの?」、長兄「そんなわけない」。
急遽、長兄嫁が、友人に代理購入してもらって家族会議。
冷凍したままのブツを見ただけで、うちの手作りじゃないとわかる形状、温めて食べてみたら論外……
楽○のページを改めて確かめてみると、レビューには「まずい」だの悪評価だらけ。

282 :名無しさん@おーぷん:2014/07/31(木)16:04:31 ID:???
長兄は怒り狂って次兄を電話呼び出し。2時間ほどして現れた次兄夫婦に罪の意識なし。
事情を問い詰めると、祖父と両親に断られた後、横浜の中華業者と結託して始めたらしい。
しかし、次兄夫婦の言い分は「本店支店には一円の損害も出させていない、看板を借りただけ、看板使用料が次兄の取り分」。
父と母が「今まで築き上げてきたお店の信用を傷つけた!」と言っても、「具体的な損害金額は?」と話にならない。
長兄が「今すぐにやめろ」といっても、「楽○との契約期間が云々」「横浜の業者との契約が云々」と埒が明かない。
疲れ果てた時に、祖父が妥協案を出してきた。
「問題は、次兄がこっちの仕事を全くやってないことにある。次兄がこっちの仕事をやっているならいいんだ。
 だから、次兄は、週に四回、朝8時から夕方17時までの早番か、昼11時から夜10時までの遅番のどちらかを選べ。それを看板利用の条件とする。
その間、ネットショップとやらは開いてていいが、うちの手作りではないと明記しなさい。
うちの手作り点心を扱いたいなら、扱い量の半分だけでいいから、つくりなさい」
次兄は嫌がったが、次兄嫁が快諾w
両親は「甘すぎる!」といったが、長男夫婦と私たち夫婦は「じいさんの決めたことなら」で決定。
それから、次兄が木金土日の4日間、遅番で本店を手伝いに来るようになったが、笑っちゃうほど使い物にならない。
思い返してみれば、長兄は中学生の頃から「店の手伝いはいいから、学校の勉強をしろ」と言われるほどやっていたし、私はジジババっ子だったから、褒めてもらいたい一心で餃子や焼売の餡詰めを高校生の頃からやっていた。
一方、次兄は「俺は継がないから」と部活ばっかりで、なーんにもやってこなかった。店の掃除すら一から教える始末。
家族である両親や長兄は容赦なしに次兄に注意する。長兄嫁は、口に出さないだけ。まさに針のむしろ。
本店でのあまりの居心地の悪さに、次兄は支店の祖父に泣きついてきたが、祖父のほうが超スパルタ。
少しでもモタツイたり、手が動いていないと、中華お玉でスッコーン!と頭を叩かれる。
次兄も意地があるだろうから、3ヶ月は頑張るかと思ったのが、一ヶ月半で「看板はいりません」音を上げた。
一方、次兄嫁は、横浜の業者の不手際でトラブル続出、クレーム頻発。対応してるうちにゲッソリ。
疲れ果てて帰ってきた次兄に、次兄嫁はヒステリーをぶつけ、次兄はそんな嫁に嫌気をさして一ヶ月に及ぶ漫画喫茶住まい。
次兄の本店手伝いが一ヶ月半で終わったので、とりあえず、ネットショップは一旦閉鎖。また、家族会議。
泣きながら謝る次兄。
「店をやるのがこんなに大変だとは思わなかった。本当に申し訳ない」
脱力した様子で次兄嫁。
「起業を甘く見ていました。生意気言ってすみませんでした」
そこで祖父。
「その横浜の業者は信用ならんから切りなさい。
 代わりに、うちで昔、奉公してた○○さんと△△さんにに話をつけといた。彼らはネットとやらに興味があるから。
 ○○さんと△△さんの味なら、うちの看板を出してもいい」
その後、次兄夫婦と横浜の業者の間で裁判がありましたが、ほぼ痛み分けで終わり、数カ月後に再開した次兄夫婦のネットショップはそれなりに軌道に乗り、今はそれなりに売れているようです。