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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

隠れた大傑作「人魚伝説」を君は知っているか?

※【注意】このエントリーはセックス&血まみれシーンのキャプチャー画像が多数あります。苦手な方は閲覧を止めて下さい。
映画好きを自称している人でも、この1984年に作られた邦画「人魚伝説」を知っている人は少ない。Google先生で検索してもなかなかヒットしない。
タイトルだけを見ると、なんだか幻想的なイメージがあるが、実際はまったその逆で、血で血を洗う復讐物だ。タランティーノやボンクラ映画、バイオレンスが好きな人は、この作品を知らないだけで映画人生の半分は損をしていると断言してもいい
邦画史上に残る傑作であるし、私が今まで観た映画の中でベスト5に入る作品だ。教えてくれたAさんありがとう。
これだけの名作なのに、悲しいことに知名度が全くない。これは悲劇だ。「いい作品を作れば勝手に売れる」というのは全くの嘘だとよくわかる。
この「人魚伝説」が、なんと明日1月30日と2月1日、渋谷の映画館「シネマヴェーラ」で公開されることになった。 これは事件だ! この映画を知ってもらうために不肖Hagexがこの映画を紹介したい。

隠れた名作「人魚伝説」
舞台は原発開発計画がもちあがっている、田舎の漁村。海女の佐伯みぎわ(白都真理)は新婚で、夫の佐伯啓介(江藤潤)と二人で漁をして生計を立てていた。喧嘩しながらも仲良く暮らしていた2人。ある日夫が船の爆破を目撃する。しかし死体も上がらず街の人間はこの事件をまったく知らなかった。疑問に思った2人が調べに行くが、夫の啓介は妻の目の前で殺されてしまう。
夫を殺したのは一体誰なのか? 妻であるみぎわは夫を殺した人間を見つけ出し、復讐を誓う。
個人的には夫への純真な愛を貫くラブストーリーなのだが、恋愛映画といって彼女に見せた日は大喧嘩となるので、オススメはできません(笑)

釣り船の爆破を見ることで2人の人生は大きく変わってゆく

みぎわを演じる主人公の白都真理。いわゆる美人

さて、人形伝説の素晴らしについて語るとROCKIN'ONの2万字でも足りないので、どこが魅力なのか簡潔にまとめてみた。

人魚伝説の魅力1「美しい海中シーン」
人魚伝説の魅力はまずその映像のド迫力だ。主人公が海女さんだけあって海中で泳ぐシーンが美しく撮影されている。水中での撮影は海中撮影で有名な中村征夫氏が担当しているので、このクオリティは納得だ。
また、みぎわが泳ぐシーンがいつもの出てくるのだが、泳ぎが上手く本物の海女さんにしか見えない。実際に白都真理はこの役のため、水泳の訓練はかなりしたそうだ。

人魚伝説の魅力2「生々しすぎる濡れ場」
お金もなくコネもないxは、自分の体を武器にしてどん底からはい上がっていく。尻の割れ目や乳首1つも映さない最近の邦画(「ノルウェイの森」とか「ノルウェイの森」とか「ノルウェイの森」とか……「白夜行」とか これは観てないけど、どうせ堀北真希の乳首も拝めないんでしょ(笑))と違い、白戸真里のフルヌードとセックスシーンがバンバンでてくる。白戸真里は美人だしスタイルがいい。が、この濡れ場生々しすぎて、まったくエロさがない。「エッチなシーンが見られる〜やった!」と、喜び勇んで観た中学生はトラウマになること間違いなし! 後述するバイオレンスもやばいが、このエロシーンだけで、今だとPG15だ。

宮本祥平こと清水健太郎とのファックシーン。

ミスターシャブ中こと、清水健太郎はダメなボンボン役なのだが、これまたはまっている。

人魚伝説の魅力3「臨場感あふれる殺人シーン」
後半では復讐の鬼となったみぎわが、続々とターゲットを殺めていくのだが、この人を殺すシーンがどれも圧巻だ。というか、これがこの映画のメインディッシュ! 
流れる汗、多量の血、握っている長ドスの柄の湿り気、傷口がから吹出す大量の血、額から汗が流れてくる感覚… 撮影と演出がうまいので、まるでその場にいる気がしてくる。耐性のない人はそのリアルさにビックリして失禁するかもしれないので、鑑賞する前はか必ずトイレに行っておこう(グロシーンはないんだけどね)
みぎわが、モリ一本で敵の本拠地に殴りこみ、関係するものしないものを次々に殺すシーンは圧巻だ。数々のドンパチ・人殺し場面を観てきたけれども、ここまで鳥肌がたっった作品は他にはない。

娼婦となり復讐の機会をうかがう、みぎわ

夫を殺した一味を見つけたら、メッタ刺しじゃ!

殴り込みに行く準備・・・銛を研ぐみぎわ

警官も殺す

目の前に居る人も殺す

倒れた人も殺す

後ろにいる人間も殺す

殺し疲れ

顔も体も返り血で真っ赤。まさに赤鬼!

警察に囲まれるが・・・

復讐の鬼となったみぎわは最後何を思うか・・・ この後エンディングなんだけどこれがまた泣けます。

さてさて、人魚伝説の素晴らしさについて色々かいてきましたが、この映画ストーリー自体もかなり魅せられます。カルト映画にありがちな突飛な設定やキワモノの要素だけで終わる映画ではありません。また最後のエンディングは、これまた…… おっとここまで書いてしまうとツマラナイので続きは劇場か映画で。彼女の復讐は成就するのでしょうか?
人魚伝説予告 どうせキチガイや!

この映画の監督である池田敏春氏がお亡くなりなりました。ご冥福をお祈りします。

映画監督の池田敏春さん死亡 自殺か、志摩沖で漂流
 「人魚伝説」などの作品で知られる映画監督の池田敏春さん(59)=東京都練馬区=が、三重県志摩市沖で漂流遺体で見つかっていたことが分かった。鳥羽署が28日、発表した。遺体は昨年12月26日、志摩市大王町波切の大王崎沖80メートルの海上に浮いているのを観光客が発見。池田さんは同月24日に志摩市内の知人宅を出た後、連絡が取れなくなっていた。同署は自殺とみて調べている。
 池田さんは1974年に日活に入社し、80年に監督デビュー。82年に退社し、若手監督集団「ディレクターズ・カンパニー」の設立に参加。三重県でロケを行った84年の「人魚伝説」でヨコハマ映画祭監督賞を受けた。最近作は2008年公開の「秋深き」。
中日新聞 2011年1月29日 朝刊

人魚伝説の撮影をした三重で入水自殺・・・
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