毎週金曜日にやろうと考えていた「有料メルマガレビュー」は火曜日に引っ越し。
■君は高城剛を知ってるか?
高城剛といえば、ジリサワの夫(別居中)として有名だが、配偶者のことよりも彼自身をぜひ注目してほしい。今回はそんな「職業 高城剛 人生 高城剛」のエッセンスがつまった彼のメルマガを紹介する。
高城剛はその昔「ハイパーメディア・クリエーター」という素敵な肩書きを名乗り、日本のメディアに革命を起こそうとしていた。
私が高城剛と聞いて思い出すのは、あのゲーム機だ。
1994年発売されたPanasonicの黒歴史家庭用ゲーム機器「3DO REAL」。高城剛は3DO REALをテレビで絶賛しながら、自身の会社であるフューチャー・パイレーツ株式会社を使って3DO REALのゲームを多数制作。
飯野賢治が当時「過去5年間プレイしたゲームで一番つまらない」と評したという「モンタナ・ジョーンズ」や吉本芸人を声優に使ったがやはり糞ゲーだった「マカロニほうれん荘インタラクティブ」、タイトルを見ればレースゲームと思えるが、まったくレース要素がなくて買った人を地獄に落とした「チキチキマシン猛レース〜ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦」など、伝説の糞ゲータイトルを連発!
これらのハイパークソゲーのおかげで3DOは「アタリショック」を引き起こした…… といってもいいだろう。
1995年から「フランキー・オンライン」というパソコン通信サービスを開始(月額500円で2時間まで接続可。以降1分10円、インターネット接続はさらに1分10円の料金体系)。
接続する度に、猿のキャラクターであるフランキーくんが登場し、「やあ、フランキー・オンラインへようこそ!」と告げてくれ、利用する度にストレスが溜まる仕様だ。今で言うとセカンドライフ的なサービスなのだが、残念ながら私の周りでは利用する人がいなかったので、詳しく知らない(笑)。
余談になるが、日本ネット・電話界の怪人であるmR-pBx氏がフランキー・オンラインで働いている事実がある。高城剛がmR-pBx氏を面接する風景は、非常に面白いので、興味がある人は「デジタルスーパースター列伝―実録!電脳界の暗部に生きる孤高の偉人密着ルポ!」に詳しく書かれているので、要チェックだ。
1995年のインターネットマガジンでフランキー・オンラインについて高城剛のインタビューが公開されているので、これも見逃せない。
あれ、いつまでたっても有料メルマガの話にたどり着かない。高城剛と仕事をした人の評判、毎年やっていた誕生日パーティーの話などは割愛!
■高城未来研究所の中身
現在は「ハイパーノマド」と自称し、ジェットセッターの名に恥じないように今日はロンドン、明日はイビサ、明後日は北京で、週末は日本と世界を飛び回って「何か」の仕事をしている。
そんな彼が出している有料メルマガが「高城未来研究所「Future Report」」だ。
メルマガタイトル:高城未来研究所「Future Report」
発行者:高城剛
発行日:毎週 金曜日
料金:月額840円
サンプルページ:あり
無料購読期間:あり(1ヵ月)
(2012/05/10発行 第46号から2012/05/29発行 第49号まで4号を購読)
このメルマガもホリエモンと同じく、1号2通のメールでワンセット。1号につき文字数は2万5000字程度(ホリエモンのメルマガもこれぐらい)だ。
いったいどんなことが書かれているのか? 目次を見てみよう(4号とも基本的にこの構成だった)。
1.近況
2.世界の俯瞰図
3.デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ
4.高城式健康法
5.直感力の上げ方
6. Q&Aコーナー
7.「高城未来研究所」第一号開発商品発表
8.著書・講演のお知らせ
「1.近況」
これは高城剛の日記だ。北海道や沖縄、北京、マドリッドと凄い勢いで移動しており、彼が感じた各都市の空気を伝えてくれる、1000字前後のコラム。ネットでは知ることができない情報が書かれている。
「2. 世界の俯瞰図」
「世界を俯瞰的に見ながら、日本の立ち位置を考えていきたい」と銘打ったコーナーで、海外のニュースを元に、高城剛のコメントをいれて解説したもの。確かに日本ではあまり報道されない情報を上手くまとめている。
「3.デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ」
タイトルだけでお腹いっぱいになりそうなタイトルだが、世界各地でノマドワークするためのガイド。私が読んでいた時はスリランカ「コロンボ」の回だった。ネットにない情報・現地の人のインタビューもあり、読み物としては面白いが、内容があまりにも専門的すぎる。
「4.高城式健康法」
こちらもタイトル通りの内容だけど、やはり視点が「高城剛」。私が購読したときは「全身の交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ」の話だったのだが、糖尿病の血糖値測定に使う針「メディセーフ」を使い、ツボを刺激するというモノ。
3ミリ程度の血だまりを20-30滴程度出すといいでしょう。自分のその時の体調と血の色を覚えておくと、血の出方や色で体調を自ずとわかるようになります。
(高城未来研究所「Future Report」Vol.049/Part1)
とさらりと書いてあるのが凄い。
「6. Q&Aコーナー」
このメルマガのメインディッシュ。ホリエモンと違って、長文の質問にも丁寧に答えてくれる。
「お勧めのカメラを教えて」「夏休みの計画はこんな感じで考えてるのはどうでしょう?」「彼女が子宮内膜症で苦しんでいるので子宮内膜症に効く、治療法、食事などご存知でしたら教えて」と、いろいろな分野の質問が飛びだしているが、高城剛は丁寧に答えてくれる。
個人的にはこのコーナーは毎回楽しみにしていた。
どの回答もググッと来るモノが多かったが、私の一番のお気に入りはこれだ。
▼▽Q.14▼▽
高城さんがご存知かは分かりませんが、今週日本では塩谷瞬という俳優さんが二股プロポーズをしたとかで大騒ぎになってます(ミヤネ屋でもトップ扱い)自分の中では無名の俳優さんだったのでなんだか叩かれ方が異常な気がします。オセロ中島の時も「そこまで需要ないでしょ」と思うくらい袋叩きだったし。こういうどーでもいいゴシップが花を咲かせている時は、裏でこの国にとって大切な事がひっそりと決まってるんじゃないかと勘ぐってしまうのですが…考えすぎでしょうか?高城さんのご意見を伺えたらと思います。【 A 】
相変わらずどうでもいいことが、日本では大ニュースになっている様子ですが、おっしゃるように叩かれ方は異常だと思います。お書きになっているミヤネ屋の司会者の隠し子問題は、あまり大きなニュースにならずに、マイナーな俳優の二股問題は、大犯罪のように扱う日本のテレビの秘密は、テレビが事実上「大手芸能プロ」によって取り仕切られているからに他なりません。
塩谷瞬は、スターダストという大手芸能プロを辞め、現在、事実上の見せしめ状態にあります。ですので、二股第一報は、大手芸能プロの広報紙と呼ばれるサンスポと、スターダストに昵懇の報知新聞によってはじまりました。知ってる人は、「どのスポーツ紙がスクープしたか」によって、問題の本質を見極められるのです。いつか、このあたりの「日本のメディアの本当の仕組み」について、書いてみたいと思います。きっと、多くの人は驚くことだと思います。今回の二股問題は、大手芸能プロに逆らうと、メディアによってリンチされるということを、他のタレントに示しているに過ぎません。それにテレビが手を貸しているのです。現実的には、小沢一郎の裁判からその後、フランス新大統領によるEU分裂問題、韓国の貯蓄銀行の4行営業停止(事実上破綻)など、二股より内外の大切なニュースは山のようにあります。
しかし、これらのニュースを流しても視聴率につながらなかったり、できればテレビ局で働く人もよく理解できていないので触れたくありませんし、スポンサーが訴求する商品の売れ行きはあがりませんので、どうでもいいゴシップを中心に扱います。何度もお話ししていますが、日本はテレビが変わらないとなにも変わらず、テレビが変わるためには、大手芸能プロの呪縛を解くことしかありません。しかし、いまのテレビ局には無理でしょうし、そうすると本当の大切なニュースは多くの人に伝わらないまま、気がつくと日本は大変なことになっている、という日を突然迎えることになるでしょう。こんな茶番が、いつまでも続くとは思えません。その間に、K-POPに席巻されてしまうのが、いまの日本のメディアの現状です。同じように、家電メーカーも韓国メーカーに駆逐されています。韓国のテレビ番組に、日本のアーティストが日々出るようになるパワーがあれば、日本の家電メーカーもアジアを中心に世界でもっと売れるでしょう。なんで、こんな簡単な理屈がわからないのか、不思議です。テレビが変わらなければ、日本は滅びます。
(高城未来研究所「Future Report」Vol.047/Part2 より)
いやー、ジリサワどんのおかげでいろいろと苦労させられたワイドショーに対して、高城剛の静かな怒りパワーを感じてゾクゾクする。「テレビが変わらなければ、日本は滅びます」と断言してしまうのも凄い!
■有料メルマガとしてクオリティは高い
高城剛は「山師体質」の人なんだけど、やはり情報の目利きと着眼点は悔しいけど凄い。「新しい視点と発想が欲しい」人、高城剛ファンはもちろん、突っ込みどころも多いメルマガなので、彼が嫌いな人にもお勧めだ!
Hagex的お勧め度:★★★★☆
面白いけど、素直な人は彼の全てを信じてしまうので危険。
いくらだったら購読する?:月額800円(1号200円)
このメルマガは840円で購読しようかな? と本気で考えた。「このお金が高城剛に渡るのはイヤ!」という呪文を唱えてやっとこさ解約