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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

友人がカルト宗教にハマった

うむむむむ。
・今まで生きてきて凄く衝撃的だった体験 110度目

892 :おさかなくわえた名無しさん:2014/02/01(土) 09:12:27.66 ID:k3T9zhmr
高校時代の友人がカルトにハマったこと。
高校時代、クラスメイトに趣味の合う奴がいて、ちょうど帰り道の途中にそいつの家があったこともあって遊びに行くようになった。
割と裕福な家庭で、両親もいい人でよくメシを食わせてもらったりしたし、あと妹ちゃんが可愛くて惚れてしまったもんだから、それからは何かと口実を見付けては立ち寄ってた。
卒業して自分は大学に通うため地元を離れることになったが、友人は第一志望の難関校に落ち、悩んだが妥協せず浪人することに。
卒業後の春休みには家に泊めてもらい、友人や親父さんと一緒に酒を飲んで「またな」と別れた。
それからしばらくはお互い連絡も取らず疎遠に。
当時はまだ携帯も普及しきってない時代で、手軽な連絡手段としてのSNSなんかも当然なく、また田舎育ちの自分にとっては都会での大学生活が新鮮かつ刺激的だったこともあって、地元のことはすっかり頭から消えていた。

893 :おさかなくわえた名無しさん:2014/02/01(土) 09:14:07.30 ID:k3T9zhmr
大学二年の夏休み、中学の同窓会があるので帰省することに。それらを終えてからも久方ぶりの地元が懐かしくて、少しゆっくりしていくことにした。
久しぶりに友人に会えないかと思い、友人宅に電話してみる。
どうやら友人はその年も浪人してしまったそうで、学習環境に乏しい地元を離れ、今は志望校のある隣県で寮暮らしをしながら予備校に通っているそうだ。
携帯番号を教えてもらい、電話をかけてみる。するとなんだか様子がおかしい。
妙に明るいハイテンションな声で、近況報告もおざなりに「世の中には選ばれた人間とそうでない人間がいると思わないか?」「愚か者は地獄に落ちるんだよ」といった物騒なことを語り出してくる。
元々ゲームや漫画が好きなタイプで若干厨二&高二病の入ってるところはあったが、ここまでこじらせてはいなかった。
「お、おう」と対応に困っていたところ、一度こちらに遊びに来ないかと誘われた。
この時点で「こいつヤバイ宗教にでもハマってんじゃないか?」という警戒心はあったが、「だとしたら自分が説得してやる」という義務感と、怖いもの見たさの好奇心もあり会うことにした。

894 :おさかなくわえた名無しさん:2014/02/01(土) 09:16:15.43 ID:k3T9zhmr
大学へと戻る道すがら隣県に寄り、駅前で友人と待ち合わせ、案内されるまま近くのファミレスへ。
四人掛けの席に座りしばし談笑。思い出話をしているときの友人は昔のままでホッと一安心したが、「ところで」という前置きから一変した。
「受験が上手く行かず悩んでいたが、今の自分はとても充実して晴れやかな心でいる。それは〇〇の教えと出会ったからだ。〇〇を実践してからはいいことばかりが続いてるんだ」と、いきなり勧誘モードに。
それと同じくして知らない男二人がやって来て、「どーも」と陰気に挨拶していきなり俺と友人の隣に座ってきた。
戸惑いもあって「誰よアンタら」と若干喧嘩腰で尋ねるも、下を向いて無表情で携帯をいじり出すだけ。すんげー不気味。友人によれば、そいつらは志を同じくする仲間だそうだ。
そこから勧誘トークがヒートアップ。
三人掛かりで、世の中の仕組みがどうの真理の教えがこうの他宗教は全て邪教だのと、マニュアル棒読みといったぎこちない感じの文言を一気にまくし立ててくる。
途中で疑問や質問を挟もうとしても遮られ、取り合ってもらえない。
この時点で「ああ、こいつを説得するのは無理だろうな」と断念した。
「これから集まりがあるんだが一緒に来ないか?」というお誘いを丁重に断り、自分の分の会計を置いて、席をふさぐお仲間を押しのけるようにして離席。
逃げるようにファミレスを出たが、友人と仲間その一が慌てて追ってきた。
仲間その一は「なんで逃げるんですか!? ちゃんと話を聞けよ卑怯者!」と非難するように叫び、睨みつけてくる。
クソみたいな話に長々と付き合わされた疲労もあり、こちらもいい加減カチンときて「だから興味ねーっつってんだろ!」とキレ気味に対応。
友人がそれを仲裁しようとするが、まるで俺の方が悪いといった風に諭してくるもんだからさらに腹が立ち、「あのなあ、ふざけんなよ!」と叫んでしまった。
そこで近くの交番にいた警官がこちらの様子に気付きやって来る。それを見た友人と仲間は俺をキッとひと睨みし去って行った。
警官に事情を聞かれたが、疲れてて面倒だったし一刻も早くその場から離れたかったので、「ああ大丈夫、ありがとうございます」と適当に流しそそくさと退散した。

895 :おさかなくわえた名無しさん:2014/02/01(土) 09:18:33.82 ID:k3T9zhmr
アパートに着いて、すぐに友人宅に連絡を入れた。
親父さんに友人がカルト宗教に入れ込んでいるようだと伝えると、最初は「まさか」と半信半疑だったが、その日の一部始終を話したら信じてもらえた。
「早いうちにあいつと話し合った方がいい」
「こちらから単身で会いに行くと、自分の場合と同じく仲間を集めて押し切られるかもしれないので、あいつを呼び戻して説得した方がいい」
といった意見を伝え、何かあったらまた連絡しあうと約束した。
それからしばらく、友人からの電話やメールが引っ切りなしに来るようになった。
「先日のことで誤解を解きたい」と言ってはいたが、執拗に現住所を聞いてくるもんだから怖くなり、着信拒否にした。
すると今度は知らない番号や非通知からの連絡が増え、どこから聞いたのかアパートにも「友人から紹介された」と怪しげな連中が訪ねて来るようになった。
何度断っても居留守を使っても定期的に来るので、最終的には警察も呼ぶ羽目になり、「これ以上しつこいようなら正式に被害届を出す」と突き付けることで、なんとか収まった。
さらにしばらくして、親父さんから連絡が来た。
友人と話し合ったが、そこで大喧嘩になってしまったそうだ。
それから友人は予備校を辞め寮からも出ていってしまい、音信不通で絶縁状態。俺も電話をかけてみたことがあるが、既に解約されつながらなかった。

897 :おさかなくわえた名無しさん :2014/02/01(土) 09:21:17.90 ID:k3T9zhmr
数年後、既に自分も社会人になっていて友人のことはもはや思い出というレベルだったが、ある日、親父さんから「友人が死んだ」と連絡があった。
友人は死ぬ直前はホームレス同然の暮らしをしていて、公園の遊具で首を吊って死んでいたそうだ。
色々と忙しく葬儀には行けなかったので、帰省した折に線香を上げさせてもらいに立ち寄った。
それまではなんとなく他人事みたいな感覚で現実感が無かったんだけど、久しぶりに懐かしい家を訪れ、仏壇に遺影として飾られた高校時代の友人の写真を見て、仲良く過ごしていた当時の記憶が一気に甦り、こらえきれず声を出して大泣きしてしまった。
月並みな意見だけど、悩みがあるなら神だの仏だの大層な教えに縋る前に、まず身近な家族や友人を頼ってほしいですわ。
以上です。