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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

ダメな父親に関する記憶

修羅場ラッシュ!
・墓場まで持っていく話を書き込むスレ第21話

150 :おさかなくわえた名無しさん:2014/01/10(金) 23:48:03.06 ID:qpB9Lpqt
昔、親父の愛人に誘拐されたことがある。
俺は小六で、日曜日に図書館に行く途中、無理矢理車に押し込められた。
驚いて「いやいやいや……え?何?」みたいなことしか言えなかったけど、中途半端に田舎だから仮に声を上げても誰も来なかっただろう。
そのままどこかの掘っ立て小屋(割りとしっかりしてた)に連れていかれて、「あの人(親父)はどこなの?」
「あなたがいなければ」
とか質問責めにされた。
ただ、親父は行方不明でずっと家にはいなかったし、何も答えられなくて困った顔するしかなかった。
相手も情緒不安定だったのかずっと泣いてたし、本当に俺をどうこうしようなんて思ってなかったのかもしれない。夜には諦めて帰してくれた。
誘拐って言っても半日位だし、周りに迷惑掛けると思い込んでたから誰にも言ってない。
ただ、相手も追い詰められてたんだろうな、と哀れに思った。
ここまでが前提。

151 :150:2014/01/11(土) 00:00:23.40 ID:qpB9Lpqt
本当に墓場まで持っていくつもりなのは、俺が親父を刺した記憶があること。
誘拐の件よりも多分数年前、夏休みが始まって少し経った頃。
昼寝から目が覚めて、喉乾いたから洗面所に行ったら、親父がいるのが見えた。
その時ふっと思い立った。何を考えたのかは覚えていない。ただ使命感のようなものに駆られて、台所に戻って出刃包丁を持ち出した。
足音を立てずに親父の背後に回ると、俺は親父の背中に駆け寄った。包丁を縦に構えたまま。
親父が振り返った瞬間、顎にシェービングクリームがつけて目を丸くしている顔が、俺の記憶にある最後の親父。
俺が覚えてるのはそれだけ。後は前述の誘拐事件までほとんど記憶が無い。
何かの記憶が錯綜してたり、刷り変わってる可能性もある。ていうか、多分そっちの方が高い。
でも確かに肉に包丁を刺して、骨に阻まれる感覚とかはリアルに覚えてる。
事実だとしたら、どうして俺が少年院にも行かなかったのか謎だし、親父の愛人にも申し訳ない。
妄想だとしたら、俺は親父を殺す妄想を真実だと思い込むような人間ってこと。それこそ感触まで再現出来るほど。
どちらにせよ誰にも言えない。
母さんが死んで四年経つけど、一度親父の行方について聞いてみれば良かった。