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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

醜いあひるの子は増田文学の夢を見るか?

創作・釣り判定のネタです。
強盗や狼、赤ずきんちゃんやネットモヒカン族が活動し、はてな村(←ネット界の杉沢村)があるネット界のシュヴァルツヴァルトはてな匿名ダイアリー」に以下の文章が投稿されていました。
醜いあひるの子がシンデレラを夢見るときはてな匿名ダイアリー
30前の女性が、職場にやってきた40過ぎのエリート部長と不倫して悩んでいる(楽しんでいる?)という内容です。
伝説のネットヲチャーである禿田禿蔵氏は「ネットの文章を「釣りか否か?」と判断するときは、まず局所的ではなく、大局的に見るべし」という格言を残していますが、このはてな匿名ダイアリー(以下増田)に投稿された文章も、全体で見ると「変」点があるので、禿田禿蔵の弟子である、私としては「釣りじゃねーか?」と思ったので、書いてみました。
どこが変なのでしょうか? 
このストーリーの核は「仕事も恋も上手くいかない私」が、部長と不倫することで「幸せかどうかよくわからないけど、仕事も恋も充実してきた私」に変化していく点です。増田の文章は最初の状況説明が上手く、部長との恋にはまっていくシーンもわかりやすく説明していますが、「今いる彼氏に対する不満が一切描かれていない」のが極めて不自然なのです。
ネットに投稿された女性の相談は、幾千万と見てきましたが、そのエネルギー源は「不満の爆発」であり、山本太郎渡邉美樹の当選に対して憤りを持つ人間の、数百倍、いや数百万倍のパワーを持つ「不満」について非常に詳しく書きます(だから面白い)。
さらに相談をする人間は、精神的に不安定なので文章の表現や構成に偏りができやすいものです」。しかし、この増田の文章は冷静沈着(「甘美なものになる」「問わず語りに語ってくれる」などなど小説的な表現が多いのも注目)で、とても不倫で悩んでいる女性の文章とは思えません。

次に不自然なのは、後半のセックス描写。この文章は「小説」を書いているので、作者はこのパートはどうしても入れたかった(読み手の心を揺さぶる「見せ場」がキチンとあるのも釣り文章の特徴)のだろうけど、「本物の相談」だったら、いれる必要が全くないどころか不必要。
この部分で、書き手が「創作ストーリーを見せたいか」「ネットで相談して解決策を見つけたいのか」の判断をするのに、いい材料になっています。

起承転結がしっかりしている、男性視点の描写、女性があまり書かない常体、など、細かい部分のツッコミどころもありますが、大局的なツッコミは以上です。キャップ。