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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

LIGがトンデモ医療「血液クレンジング」の宣伝を行う(追記あり)

ああ、ついに恐れていたことが起こってしまった。いつかこんなことが起こるのでは? と予想はしていたんだんけど…… あーあ。

みなさんは「血液クレンジング」(血液オゾン療法)という美容施術をご存じだろうか? 血を抜いて医療用オゾンガスと混ぜて科学反応を起こし、『きれいな血液』(!?)にして体内に戻すというものだ。美容整形系の医院で1回数万円の金額で行われている。
まあ、これはトンデモ医療で「効果もなければ副作用もない」もの。痛い思いをしてお金時間を消費するから、実質マイナスかな?
「血液クレンジング」に関する医療論文探し、どのような結果になっているか調べたブログがある(書いている人は内科医)。

PAODに関しては有害事象が少なくそれなりの効果あるかもしれず完全否定できるものではないが、質の高い臨床試験が少なく、また標準治療と比較試験でもないので、推奨の域に入るのは到底困難。その他の疾患に関しては言わずもがな。

とコメントし(PAOD=末梢動脈閉塞性疾患)

血液クレンジングを健常人や根拠のない疾患患者に実施している医療者は、頭を冷やす意味合いでオゾンの充満した部屋で脳クレンジングでもして頂いた方が良いのではないかと思う。

という意見で〆ている。
また、お医者さんが回答しているQ&Aサイト「アスクドクターズ」でも、血液クレンジングの質問について

・胡散臭い
・疑似医学療法の一つ
・やっても効果があるとわからないし、実績データも評価できない

と答えている(「血液クレンジング」、「血液クレンジングをしてもよいか?」より)。
血液クレンジング・血液オゾン療法で検索しても、SEO対策が上手いクリニックが多いのか、否定的な記事はなかなかヒットしない。怖いねインターネット。

前置きが長くなったが、ココから本題。いつも面白い記事を提供しているWeb制作会社「LIG」が、伊藤春香氏(キレナビ)とコラボして、血液クレンジングの宣伝をしている。あーあ、やっちゃった。

血液を抜いて戻す?キレナビを使ってオゾン療法を体験してみた。魚拓
はあちゅうこと、伊藤春香氏のことは好きでも嫌いでもないが、自身が編集長をしている美容系クーポンサイト「キレナビ」で、血液クレンジングという胡散臭くて怪しげな医療を宣伝するのはどうかと思います。そして、その手を他のサイトまで伸ばして……!(受ける方もどうかと思うけど)
秒速結婚の時に伊藤氏が出てきて、こうなるんじゃないかと思っていたが…… あーあ(3回目)。

LIGの宣伝記事に
「血液にオゾンガスが混入され、ブクブクとピンク色のあぶくを立てました!」
とあるが、これは当たり前の反応。「オゾンで血液クレンジング【もっと追記あり】」というブログから以下引用。

血液の色が変わるのは当たり前。
 静脈から血液を採るので、血液は酸素の少ない静脈血。ヘモグロビンは酸素と結合していないので暗赤色。
 オゾンと酸素の混合気体と混ぜ合わせればたちまち酸素ヘモグロビンとなって鮮血色になる。これを浄化などと勘違いしてはいけない。

好きなサイトがダメになるってのは、見ていて悲しいよね。あーあ(4回目)。

おまけ
伊藤春香氏のブログに、安藤美冬氏、伊藤氏の友人の3人で血液クレンジングを体験するエントリーがある(2012年1月21日)。施術中に伊藤春香氏が恐怖のあまり貧血になってダウンするという結末だった。血液クレンジング怖いね!
血液クレンジングを体験してみました。(そしてとても迷惑をかけました)はあちゅう主義)

追記
やまもといちろう氏のメルマガ「人間迷路」のVol.053(2013年5月11日発行)で、キレナビの親会社であるトレンダーズ&血液クレンジングについて触れています。ちょっと長いですが、当該箇所だけ引用。

 さて、このトレンダーズでの話はどうなのでしょうか。
 たとえば、この記事をご覧ください。
http://www.kirei-c.com/present_campaigns/detail/7
http://megalodon.jp/2013-0511-1315-46/www.kirei-c.com/present_campaigns/detail/7
 医療的には無害ですが、血液さらさらを目的とするのであれば血液を取り出し
て措置を行うよりはブドウ糖溶液を投下したほうがよほど安全にさらさらにでき
ますし、「成人病の改善・予防をしたい」など具体的な効用が血液クレンジング
療法に存在するという論文はまったくありません。アトピー性皮膚炎然りです。
 存在しない効果を謳って医療行為を宣伝している形になりますね。
 この時点で、すでに医療法違反であることは確定するわけなんですけれども、
この文言を掲載するにあたって、では誰が責任を負うのかというところが問題と
なります。
 取り上げた「血液クレンジング」以外にも、問題のある記述はサイト全体で私
が視認している限り200件以上存在し、これはグレーゾーンを敢えて狙っていく
確信犯ではないかと考えられるのです。
(中略)
 すでに違法の疑いが強い記述をサイトに掲載し、医療法ガイドラインでは認め
られていない医療費の割引を行うクーポンを発行しているトレンダーズは果たし
てどこまで許容されるのでありましょうか。
 そして、『キレナビ』編集長の伊藤春香さんのブログやツイッターを中心とし
て、トレンダーズとの取引が確認されている商品、サービスについて効用を謳う
記述・描写が60件以上確認されます。

でもって、やまもと氏はトレンダーズのIRに懸念事項を質問すると

この度は弊社事業へご質問・ご指摘頂き有難うございました。

弊社といたしましては、ユーザーの皆様に
安心してご利用いただけるメディアとすべく、
ご指摘を真摯に受け止め、事業を運営してまいります。

どうぞ宜しくお願い致します。

と、返信をもらったようです。これでいいのかトレンダーズ……
その後のエントリー