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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

吉本ばななと白雪姫

例の吉本ばなな居酒屋事件関連のエントリー
「お金払うから」(不動産屋のラノベ読み)
を読んでいると以下のセンテンスが印象的だった。

■「お金払うから」は気持ちよくない
 私がばななさんの文章でイヤだなあ、と思ったところはここです。

私たちはいちおう事情を言った。この人は、こういうわけでもう日本にいなくなるのです。その本人がおみやげとして海外から持ってきた特別なお酒なんです。どうしてもだめでしょうか? いくらかお金もお支払いしますから……。
http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60769&pg=20090808

 前述の通り、お金の問題じゃないんですよね。できればお客さんに喜んでもらいたいな、でも「以前に来た時は大丈夫っていってくれたのに!」とか「他のお店では許してくれたのに!」とかクレームを言い出されると嫌だな、という心理状態なのです。そこに「お金払うから」は効果があるのかどうか。
 私ならちょっと不快です。

 たとえて言うなら、お年寄りに「席譲ってくれませんか、お金払うから」と言われた感じです、あくまで気分的に。

これを読んで思い出したのが、白雪姫のワンシーン。王子が小人たちに白雪姫が入っている棺を、譲ってくれと頼む場面だ。
白雪姫 菊池寛訳青空文庫

王子は、棺の上に金文字で書いてあることばをよみ、すぐ小人たちに、
「この棺を、わたしにゆずってくれませんか。そのかわりわたしは、なんでも、おまえさんたちのほしいと思うものをやるから。」といわれました。けれども、小人たちは、
「たとえわたしたちは、世界じゅうのお金を、みんないただいても、こればかりはさしあげられません。」とお答えしました。
「そうだ、これにかわるお礼なんぞあるもんじゃあない。だがわたしは、白雪姫を見ないでは、もう生きていられない。お礼なぞしないから、ただください。わたしの生きているあいだは、白雪姫をうやまい、きっとそまつにはしないから。」王子はおりいっておたのみになりました。
王子が、こんなにまでおっしゃるので、気だてのよい小人たちは、王子の心もちを、気のどくに思って、その棺をさしあげることにしました。

最初はお金や物品で棺を買おうとして断られ、ただでくれ! 頼んだら譲ってもらった王子様。このエピソードから学ぶモノは大きい(なぜダータなら譲ってもらったのか、お子さんと一緒に話し合ってみましょうw)。
吉本ばななも、折り入って頼めば事態はまた変わったかもね。