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紅茶とお菓子について書いているほっこりブログです

戦場のメリークリスマス(1983年)

ビデオで鑑賞。はじめに見たのが小学校中学年。だけど全然記憶がない。再度見直したんだけど、はじめて観た映画のように楽しめた。
大島渚の映画はほとんど観たことがない。観ていて感じたのが、絵作りにとってもこだわっている人なんだと実感。美しいジャワの風景と人物の配置ぐあい、室内にある小物の位置や色、セリフまわしなど神経質な感じがとてもよくわかる。坂本龍一の大根っぷりは失笑ものだが、キャスティングは凄いよく出来ていてる。特にビートたけしの演技は凄い光っている。今では映画監督と主演もたくさんしているたけしだが、本格的に劇場作品でたのはこれが初(なのかな)。当時の人にとってはたけしの演技の上手さにさぞかしびっくりしただろう。今見ると「他の映画と同じ演技なのね〜」とちょっと思ってしまうが。
「意味不明」という感想が多いが、個人的にこの映画は「対立」がテーマになっていると思う。「キリスト教」対「仏教・新道」、「上流階級」と「下層階級」、「英軍」と「日本軍」、お互いが理解しようとしないところに悲劇が生まれる。その狭間にローレンスがおり、彼の視点と苦悩で物語がすすんで行く。「戦争の狂気とジャワの灼熱が人を狂わしてしまった」といえば簡単だけど、この状態は今この時点でも存在しているんじゃないか? 123分という短くない映画だが、面白くてあっというまに終わってしまった。
個人的におもしろかったけど、戦闘シーンもなくひたすら地味な映画。公開当時はセンセーショナルな映画だったんだろうけど、どらちかというと単館映画向けな気がする(だからデビット・ボウイ坂本龍一がキャスティングして話題づくりをしたんだろうけど)。
確かにガキの時観ても面白くなく、大人になって面白くなる映画だとシミジミと感じる。
勝手に映画評価 ★★★★☆(星4つ、大島渚の他の映画がみたくなった)
戦場のメリークリスマス(Amazon)
みんなのレビュー
「わからない・意味不明」というコメントが多いのに、そういう人に限って点数を5点以上つけていて笑える。きっと戦メリが名作ってことは頭で知っているから0点がつけられないんだろうな(笑)
Wikipedia

一例を挙げると大島が撮影に使った蜥蜴が演出意図どおりに動かないことに腹を立てて「お前はどこの事務所だ!」と怒鳴りつけたことや、差し入れのうな重をたけしらが食べてしまったことに坂本が腹を立て、かわりにたけしが手配したうな重を涙を浮かべながら食べていた、などである。

『戦場のメリークリスマス』FAN宣言同盟
1980年〜1984年の映画配給収入ランキング
1983年で戦メリの配給収入は13位で9.9億円。83年は南極物語にETありと結構すごい映画が公開されているな。食人族8.5億も驚き。